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ダルビッシュと新天地ドジャース。
どうしても必要だった「最終兵器」。 

text by

芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/08/05 07:00

ダルビッシュと新天地ドジャース。どうしても必要だった「最終兵器」。<Number Web> photograph by AFLO

ドジャースに合流したダルビッシュ。首脳陣との会話では笑顔を見せるなど、早くもチームに馴染みつつある。

ワールドシリーズ制覇請負人の役割を果たせれば……。

 と書けばわかるように、ドジャースにしてみれば、ダルビッシュは喉から手が出るほど欲しかった最終兵器なのだ。問題は、彼自身の調子がここへきてやや下降気味なことだが、投球時の癖(フォーシームを投げるときに、手が一瞬止まる)を修正しさえすれば、復調は早いのではないか。

 それ以外では、奪三振率(9回あたり9.7個)が昨年(9回あたり11.8個)に比べて下がり、被本塁打率(9回あたり1.3本)が昨年(9回あたり1.1本)に比べてやや高いことを指摘する声がある。だがこのあたりは、環境が変われば克服可能な課題だと思う。ドジャー・スタジアムは投手に有利な球場だし、DHのいない対戦相手が増えることは、やはり大きなプラス材料だ。なによりも、ナ・リーグの打者がダルビッシュのスライダーに眼を馴らすまでには、かなり時間がかかる。ポストシーズンを含めてあと3カ月、ダルビッシュがワールドシリーズ制覇請負人の役割を果たせば、ドジャースとの新規複数年契約という選択も、改めて視野に入ってくるだろう。

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