月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
阪神なら報知、巨人ならデイリー!?
プチ鹿島4月のスポーツ新聞時評。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph bySports Graphic Number
posted2017/05/01 17:00
新聞各紙はそれぞれに独自の論調、名物コラムを持つが、特にスポーツ新聞ではそれが顕著なので、読者としてもより一層視野が広がるはず。
阿部慎之助の話をして最後は梅野で落とすデイリー。
「デイリー」のこのコラムには次の言葉が続く。
「不安をあおるわけじゃないけれど、司令塔の重荷が取れた阿部の脅威は今後間違いなく増していく」
「たとえ1試合でも鬼の居ぬ間に虎は勝っておかなければ…」
このコラムでは他にも興味深いエピソードが載っている。2013年のオールスターのベンチで阪神の藤井彰人と阿部はこんな雑談を交わしたという。
藤井「捕手を10だとしたら、一塁はどんなものなの?」
阿部「1…ないですね」
捕手というポジションがいかに過酷かというエピソード紹介から、話はこうなる。
《なるほど、そう考えれば梅野隆太郎の打撃不振もうなずける。》
さすがデイリーのコラムである。
最後は自軍の捕手の話題になるのである。でもこの阿部と藤井の会話エピソード、巨人ファンも読んだら面白いはずだ。
報知の名物コラム「仙ペン」のタイトルを考察。
では第3戦にいこう。
阪神が勝ち、3連戦を勝ち越した。
報知の見出しには「福止めろ由伸監督」とあった。そう、「福止めろ」は阪神の福留にかかっている。
この3連戦、福留は3戦6安打6打点。しかも3戦連続先制打という大活躍。
そこで面白かったのは報知のコラム「仙ペン」だ。
愛情のある辛口でアンチ巨人も読んだと言われる「激ペン」(故・白取晋記者が執筆)の流れを継ぐ名物コラムである。仙道学編集委員が執筆している。
この日の出だしは《「おれは男だ!」というテレビドラマを覚えているだろうか。》
約50年前のドラマは筆者もリアルタイムでは視聴していないが「自明の理をことさら強調するときは、それなりの裏があるはず」と書く。