錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
フェデラーが錦織圭を名指しで警戒。
今年のクレーシーズンは予測不能だ。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2017/04/22 11:30
昨年の全仏では、フェデラー欠場、ナダル3回戦棄権という条件が重なり、優勝の可能性がこれまでになく高かったのだが……。
そろそろフェデラーのライバル達が反撃開始!
錦織だけではない。
このクレーシーズンは、ここまでの“フェデラー・フィーバー”の陰に隠れていたライバルたちの反撃開始と願いたい。
反撃といっても、今季のレースでトップを独走しているロジャー・フェデラーは、全仏オープンまでの全てのクレーコート大会をスキップするため、同じ土俵に上がらないのだが……。4人の子を持つ35歳が、プライベートとのバランスもとりながら今年最大の目標であるウィンブルドンをベストコンディションで迎えるための決断だ。
ATPが課す出場義務のルールや、ランキングを落とす恐怖などにとらわれなければ、本来、選手の体のためにはそのくらいのペースでの出場がベストということなのかもしれない。
長くトップで現役を続けるために、やりたいようにやるというスタンスを明確にしているフェデラーは、ひとり別の戦いをしているようで、自分のことにもどこか客観的だ。
フェデラーの口から出た、ティームと錦織の名前。
4月10日に自国スイスのチューリッヒで行なったマレーとのチャリティーマッチのあとの記者会見では、世界1位への返り咲きについて、「そうなれば夢のようだが、道のりは長い」と話したという。
そして、今後自分の壁になるであろうと考える選手が何人かいると語った。
ノバク・ジョコビッチやアンディ・マレー、ラファエル・ナダルというおなじみの「ビッグ4」の面々はもちろんのこと、さらに3人の名前を挙げたのだ。スタン・ワウリンカ、ドミニク・ティーム、そして錦織である。
「マレーやジョコビッチ、ナダル、スタン、ティーム、錦織がすごくいい状態のときは、なかなか倒せない相手だということはわかっている」