錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
フェデラーが錦織圭を名指しで警戒。
今年のクレーシーズンは予測不能だ。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2017/04/22 11:30
昨年の全仏では、フェデラー欠場、ナダル3回戦棄権という条件が重なり、優勝の可能性がこれまでになく高かったのだが……。
今季ツアーは考えれば考えるほど予測不能。
結果だけに目を凝らしてしまうと、見れば見るほど今季のツアーは予測不能である。
昨年悲願の世界1位に上り詰めたマレーの失速、ジョコビッチの不安定。そんな中でポスト世代が台頭する気配を見せたが、どうも長続きしない。
若手が勢いづかない一方で、ケガから何度も復活してきた39歳トミー・ハースが1年8カ月ぶりの勝ち星を挙げた。ぶっちぎりのフェデラーでさえ、今季唯一の黒星の相手が116位(当時)のエフゲニー・ドンスコイというのもおかしなものだ。
長いキャリア、長いシーズン、波があって当然だろう。ビッグ4が強固すぎた時代とはまた違うおもしろさがある。
錦織について言えば、南米2大会の収穫だとか影響云々などと先に書いたが、正直そんなちまちましたことは考えたくない。
フェデラーも恐れるベストパフォーマンスがどこかで、できれば何度も見られるクレーシーズンになればと思う。
そろそろ錦織vs.ビッグネームが見たい!
もう1つ、そろそろビッグネームとの対戦が見たい。
今年錦織は、全豪オープンでフェデラーと対戦して以来、ビッグネームとの対戦が一度も実現していない。フェデラーが錦織をあれほど警戒していることからもわかるように、錦織は大物との試合で本領を発揮する。なるべく早い段階でその機会が訪れることを期待したい。
第1戦のバルセロナは24日に開幕する。
そこにはナダルがいる。ティームもいる。
刺激的な一戦を経験するところに、そのあとマドリード、ローマ、全仏オープンと続くクレーの長期ロードを成功に導くカギがあるかもしれない。