ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
ハリルJの決意、野心、自信の核。
本田にも、今野にも明確な理由が。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2017/03/22 08:00
精神的な面でも大いなる貢献が期待される本田。W杯予選では、ピッチ内だけが戦いの場所では無いのである。
UAEは「常に同じ選手、同じやり方でプレーする」。
UAEチームの分析はすでに終えている。
「われわれ(JFA)のスタッフがリーグ戦を2試合視察した。その2試合に、代表選手のほとんどが出場した」
埼玉での試合から、大きな変化はないとハリルホジッチはいう。
「常に同じ選手、同じやり方でプレーしている。不思議なことにけが人があまり出ないので、ほとんど変わっていない。2~3人新しい選手が入ることはあっても、いつも同じやり方を保っている。
誰が出てきてどんなプレーをするかはすべて分かっている。
中盤にはレベルの高い選手が2~3人いる。
10番のオマルがそうで、彼らの攻撃はかなり危険だ。オマルがボールを持ったときに誰がどう動くかというオートマティズムが出来あがっている」
だが、それについてはすでに日本代表チームは対処済みだったはずだ。オマルがどこにパスを出すのか。攻撃パターンはすべて把握しており、埼玉の試合でも危険な状況に陥ることはなかった。
問題は、UAE代表が3月上旬からリーグを中断して合宿に入っており、フィジカルもまたチームの仕上がり状態も、日本とは比べ物にならないほど良いということだ。
もちろん彼らには、時差や気候への適応の必要もない。
ショートカウンターか、低いブロックを敷くか。
限られた時間と状況下での準備となった今回。日本はハリルホジッチが就任以来一貫して標榜してきた縦に速いスタイルを90分間続けることは不可能であると思われる。
さらに、「アウェーで十分にボールを保持できるとは思わない」と彼はいう。
では、どんな戦略オプションを選択するのか?
アウェーとはいえ、ある程度高い位置からプレスをかけて効率的なショートカウンターを狙うのか?
それともオーストラリア戦のように低いブロックを敷いて、相手にボールを持たせながらゲームをコントロールするのか?