プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「全員が納得することはありえない」
小久保采配は、勝利だけのために。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/03/16 12:05
イスラエル戦後、ソフトバンクの王会長と固い握手を交わした小久保監督。ホークス時代の教え子に王会長は、ねぎらいの言葉をかけた。
勝敗の責任を引き受けて、動くべきところで動く。
決断するところでは、選手に遠慮することなくスッパリと決断している。勝敗の責任を引き受けて、動くべきところでは動いて勝ち続けてきた。
言うならその采配が、決勝ラウンド進出の1つのカギでもあった。
「勝ったらその日のことは忘れて、次に集中したのが良かった。一番は自分が送り出した選手を信じること。そうして自分が決めたことを信じて待つだけ。次が一番難しい準決勝。そこに向けて準備をしたい。なんとか乗り切って世界一になりたい」
日本時間22日(現地時間21日)に行われる準決勝の先発はエースの菅野智之(巨人)が有力だ。
ただ、指揮官はこうも語る。
「先発はまだ決めていません。向こうに行って調子をみてじっくり考えて決めたい」
行き当たりばったりだが、だからこそ固定観念にとらわれない。
分かっているのは、正解は勝つことにしかないということだけである。