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選手権Vの高橋壱晟、千葉で即先発!
阿部勇樹以来の快挙も悔しがる18歳。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/03/04 11:30
開幕戦にして、早くもフアン・エスナイデル監督とチームメイトから高い評価を得た高橋。しかし、本当の評価は長いリーグ戦を終えてからである。
Jデビュー開幕スタメンも、U-20代表合宿に選ばれず。
高橋が語るように、京都橘から京都に入団したFW岩崎悠人も、山形との開幕戦において59分に途中出場を果たした。90分には左サイドでボールを受けると右足で正確なクロスを送り込み、初アシストもマーク。1-2で敗れはしたが、ルーキー勢の中でいち早く目に見える結果を残した。
今年の5月にはU-20W杯がある。
当然、プロ1年目の選手にとってはターゲットとなる大会だ。
3月7、8日とU-20日本代表候補トレーニングキャンプが行われるが、昨年のAFC U-19選手権優勝メンバーである岩崎、原は順当に選ばれ、杉岡も代表復帰を果たした。その一方で高橋の名前は無かった。
「まだ自分の現状では(代表に)入れないと思っています。だからこそ、これからの活躍で巻き返したいです」
高橋が開幕スタメンを果たしても、悔しさを口にした理由がそこにある。
結果的には味方のゴールになったシーンにも反省点が。
「開幕戦、本当に悔しいシーンがあるんです。(40分の)町田也真人選手のゴールシーンも、僕が町田選手に対してしっかりと平行に走っておけば、ラストパスが来て、僕がシュートを決めることが出来たかもしれない。
もっと前に行きたかったのですが……自分のスプリント力が足りずに、間に合わなかった。後ろが3バックなので守備に戻ることも多いし、プロはカウンターのスピードが高校とは全然違って速いので、これまで以上にスプリント回数や距離を上げて行かないと厳しいと感じました」
このシーン、自陣でのボール回しから、右サイドのDF北爪健吾にサイドチェンジが届いた瞬間、町田と高橋が、DFラインの裏を目掛けて走り出していた。
北爪のロングフィードが完全に裏へと抜け出した町田に通る……ファーで折り返しを受けるべく、高橋も猛ダッシュしたのだが、同じように全力で戻るDFの裏を突くことは、結局出来なかった。