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選手権Vの高橋壱晟、千葉で即先発!
阿部勇樹以来の快挙も悔しがる18歳。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2017/03/04 11:30

選手権Vの高橋壱晟、千葉で即先発!阿部勇樹以来の快挙も悔しがる18歳。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

開幕戦にして、早くもフアン・エスナイデル監督とチームメイトから高い評価を得た高橋。しかし、本当の評価は長いリーグ戦を終えてからである。

「いつまでも卒業式の余韻に浸っていられない」

「卒業式は素直に楽しめなかったです」

 意外な言葉が彼の口から出た。

 開幕戦を終え、チームは既に第2節に向けて準備を進めている。たった1日だが、チームを離れることで、彼の中で危機感が芽生えていた。

「開幕戦に出たからといって、そこからポジションが保証される訳ではありません。すぐにホーム開幕戦があるので、いつまでも卒業式の余韻に浸っていられません」

 彼が抱く危機感には他にも理由があった。

 ひとつは開幕スタメンフル出場を飾った高卒選手が彼だけでは無いということだ。

同じ高卒組で湘南・杉岡、新潟・原がスタメン出場。

 J2では市立船橋から湘南に入ったDF杉岡大暉が、水戸との開幕戦で3バックの一角でスタメン出場。落ち着いたプレーで完封勝利に貢献している。高橋と杉岡がスタメンデビューする前日には、市立船橋から新潟に入団したMF原輝綺が、カテゴリが一つ上のJ1で開幕スタメンフル出場という成果を残している。

 しかも、この試合で原はダブルボランチの一角として、得意とする出足の速い守備と奪ってからの展開力を発揮し、アウェー広島のピッチで十二分に活躍した。

 新潟は1-1で迎えた82分に、サイドバックの矢野貴章が2枚目のイエローカードを受けて退場する展開となった。原にとっては開幕デビュー戦でいきなり10人になってしまう厳しい状況に追い込まれたが、最後まで集中力を切らさず、ピッチで存在感を放ち続けた。そのプレーぶりに、高橋も感じるところはあったようだ。

「開幕スタメンの可能性が出て来て、『自分が最初かな』と思ったけど、原の評価も高くて、実際にいち早くスタメン出場を果たした。

 正直、悔しかった。

 杉岡、そして岩崎(悠人)も京都でデビューして、アシストを記録している。高卒の選手が活躍しているだけに、“自分も”との思いは強くなる。だからこそ、スタメンで出たからどうこうではなく、ルーキーだろうが結果が求められる。この中から抜け出して行くためには、満足していられる状況ではありません」

【次ページ】 Jデビュー開幕スタメンも、U-20代表合宿に選ばれず。

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