球体とリズムBACK NUMBER
札幌の魂・河合竜二のマリノス愛。
古巣に伝える「まだやってますよ」。
posted2017/03/03 11:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
『NumberWeb版2017年J1順位予想』で、3人のうち2人が最下位、もう1人が17位としたチーム。それが昨季J2王者の北海道コンサドーレ札幌である。
ベガルタ仙台の本拠地での開幕戦であえなく敗れたことにより、それらの見立ては早くも説得力を持ち始めている。
「仕方ないよね。(シーズンが)終わった時に、それを裏切ることができるようにしないと」
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件の順位予想について訊かれ、河合竜二はそう答えた。
一昨季までの5年間、札幌でキャプテンを務め、今季は同クラブで7シーズン目を迎える重鎮は、高校時代の同級生からの不躾な質問を真正面から受け止めた。広い度量は、彼と筆者がチームメイトだった16歳の頃から備えていたものだ。
プロ生活20年間で3度の昇格、2度の降格を経験。
「J1はすべてのプレーが(J2と)違う。J2では相手がミスしてくれていたような場面でも、J1ではそうならないことが多い。パスもシュートもドリブルも、スピードと技術と精度が格段に上がるからね。(仙台戦も)厳しい時間が長かった」
開幕戦ではベンチに入ったものの、出番は最後まで訪れなかった。38歳のボランチ兼センターバックは、その20年に及ぶキャリアで、昇格を3度、降格を2度経験。だからピッチに立たなくても、J1の厳しさは肌で知っている。
まして札幌は前回(2012年)と前々回(2008年)に昇格した際、1年で降格の憂き目に遭っている。5年前は河合も当事者のひとりだった。