プレミアリーグの時間BACK NUMBER
優勝争いでもクロップに批判の声?
リバプールは“雑音”を消せるか。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/02/04 11:30
チェルシー戦後、クロップはトリックFKを決めた相手DFダビド・ルイスと談笑するなど、相変わらずバイタリティに満ちあふれている。
今季の負傷者は昨季に比べれば、大幅に減少している。
とはいえ攻守両面で激しく果敢な姿勢が基本だからこそ、クロップのリバプールは「最もエキサイティングで、見応えのあるプレミア優勝候補」と賞賛されていたのだ。シーズン後半戦突入と同時にペースダウンしたこともあり、不振の原因を求めたくなるところだが、その思考は短絡的すぎる気がする。
それは故障者数を見ても明確だ。昨季クロップ就任後の3カ月で11名の負傷者を抱え、うち6名がハムストリングを痛めた経緯もあってのことだろう。しかし今季は1月を終えた時点で故障者が3名しかいない。フィジカル面でも指揮官の意図する戦い方を貫く用意が整いつつあるのだ。
個人的にはクロップを責めるのではなく、逆に讃えたいぐらいだ。不満を唱えたファンは「またタイトルには手が届かないのか……」という落胆があるのだろうが、1-1のドローに終わった第23節チェルシー戦を受けての現状は、決して「地獄」とは思えない。
スアレス、ジェラードがいなくても積み重ねた勝ち点。
リバプールが直近で優勝争いを繰り広げたのは、2013-'14シーズン。最終的には僅差の2位に終わったものの、第23節終了時点の勝ち点は、今季と同じ「46」である。
しかも現在のチームには、当時のルイス・スアレスのような絶対的なエース、スティーブン・ジェラードのような絶対的支柱もいない。それでもクロップのリバプールは、優勝戦線に生き残っている。
チェルシーで解説を務めたジェラードは、「今夏に4、5名の新戦力を加えれば来季は本物」と古巣を評していた。その試合ではロベルト・フィルミーノが本来の位置ではないセンターフォワードを務めていたほどなのだから。