プレミアリーグの時間BACK NUMBER
優勝争いでもクロップに批判の声?
リバプールは“雑音”を消せるか。
posted2017/02/04 11:30
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
1月が終わり、プレミア後半戦1カ月目も終了した。優勝争いでは首位で年を越したチェルシーが、2位との差を年末の6ポイントから9ポイントへと拡大。追い上げを狙うライバル勢にすれば、悔いが残る形で4試合を消化してしまった形となる。
その中でリバプールのユルゲン・クロップ監督は、2月の声を聞いてホッとしていることだろう。1月のプレミアでは1敗3引分けの不調で、2位から4位へと順位を下げた。そのうちホームで敗れた相手には、当時リーグ最下位のスウォンジーも含まれる。いずれも敗退が決まったFA杯とリーグ杯を含めた全9試合で1勝のみ。メディアでは「地獄のような1月」と表現された。
国内紙や“巷の評論家”の批判の矛先がクロップに。
この「地獄」の中で、国内紙の辛口記者、そして無数の“巷の評論家”たちは批判の矛先をクロップに向けたのだ。この国では、選手や監督が持ち上げられたかと思えば叩き落とされるケースが珍しくないが、クロップも対象にされた点には驚いた。監督としての実力はもちろんのこと、人気と好感度の高さでもプレミア随一と思われる人物だけにだ。
今季のプレミア監督には豪華な顔ぶれが揃う中でも、クロップは指揮官として多彩な能力を有している。ペップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)、マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)と並び、攻撃的なプレッシング・サッカーの優秀なスタイリストである。
また若手を使って育てる指導者としては、アーセン・ベンゲル(アーセナル)にも引けを取らない。ベンチ前で感情を表に出してチームと一緒に戦う闘将としても、アントニオ・コンテ(チェルシー)にも負けていない。
そしてカリスマ性に溢れ、気の利いたコメントでメディアを惹きつける才能は、ジョゼ・モウリーニョ(マンチェスター・ユナイテッド)にも匹敵する魅力の持ち主といえるのだから。