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青森山田は毎試合バス移動10時間。
プレミアイースト優勝はハングリー故?
posted2016/12/12 16:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
片道8~11時間。往復で16~22時間。
彼らはリーグ期間中の8カ月間、この長い旅路をバスで移動してやって来る。そして、ユース年代最高峰の相手と戦い、再びバスで帰路につく。
青森山田にとって、これはすべて「当たり前の日常」なのだという。
本州最北端・青森県にある青森山田高校は、「高円宮杯プレミアリーグ(イースト)」が発足した2011年から参加している。2010年までは、全国を9地域に分割したプリンスリーグを勝ち抜いたチームが集結する形で、高円宮杯全日本ユース選手権が開催され、クラブユースと高体連の垣根を取っ払った真の日本一を決めていた。
そのため「プリンスリーグ東北」に所属していた青森山田の移動距離は、それほど突出したものではなかった。
しかし、2011年にプレミアリーグが立ち上がると、事態は一変した。
リーグの他チームがすべて遠い……青森山田の苦難。
プレミアリーグ・イーストに所属するチームの多くは関東と東海地域のチームとなり、彼らと戦うために青森山田の移動距離はどんどん伸びていった。そして、コンサドーレ札幌U-18が昨季のプレミアリーグで降格したため、北海道・東北地域の参加チームは青森山田の1チームのみとなった。
イーストに所属する他のチームは、新潟(アルビレックス新潟U-18)、静岡(清水エスパルスユース)、関東(FC東京U-18、大宮アルディージャユース、市立船橋、流通経済大柏、柏レイソルU-18、横浜F・マリノスユース、鹿島アントラーズユース)となり、青森山田は過去最高の移動距離を強いられることとなったのだ。