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20歳そこそこの選手が上位独占!
米女子ゴルフ界で起こる革命とは。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2016/11/29 07:00
米女子ツアー最終戦の初日に同組だった(左から)アリヤ・ジュタヌガーン、リディア・コ、ブルック・ヘンダーソン。
最新の道具をすぐに自由自在に扱える選手が勝つ。
市場やユーザーの飛距離が顕著に伸びると「反発性能、ヘッドサイズ、長さ」などがルール規制の対象となり、メーカーはその基準を満たす新しいモデルを開発する。追いかけるようにボールやシャフトも年々進化する。
例えば、本間ゴルフが契約するユ・ソヨン(26歳/韓国)のクラブは、彼女のボールの弾道やスピン量などのデータを徹底的に検証し、1年をかけて開発されているという。
「ソヨンは一昨年に飛距離が落ちたんですが、昨年末に新しい1Wを使用し、またコーチを代えたことで、スイングの初速や打点が随分変わり、飛距離も戻ってきました」
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他の選手たちも良いクラブがあるという噂を聞きつけて、続々と試したという。
最新のテクノロジーを用いたゴルフ道具を見つけ、選手が自分にしっかりと合うように使いこなしていく――その結果が今季の選手のドライバーの平均飛距離アップにつながった、ということも一要素としてあるようだ。
まだ恐れを知らないメンタルの若手が有利に!?
しかし、その進歩の理由は道具だけではないはずだ。
一般的に、ロングホールでバーディを獲るには、パワーヒッターが有利である。しかし「パー5の平均最少スコア」のトップはインジで、ドライバーの平均飛距離は全選手の平均ぐらいでしからない。2位タイのリディアに至っては、全然飛ばない。つまりトップレベルで活躍する若手は“パワーヒッターとは限らない”のである。
「ドライバーの飛距離ばかり注目されがちですが、若い子はドローもフェードも両方打てるし、リディアはショートゲームが安定しています」
と、米ツアー11年目の宮里藍は教えてくれた。
「以前はラフの長さで、今はピンポジションで、試合の難易度を調整していますから。パッティングをはじめとしてトータルでゴルフが難しくなっているので、“怖がらずに攻めていける若い子”が上位に上がってきているのだと思います」