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米国の横峯さくらに何が起こってる?
砕かれたプライドと初優勝への執念。
posted2016/11/28 07:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
フロリダで開催された米女子ツアー最終戦の3日目。
横峯さくらはパー4の4番で8打叩いて、上位争いから脱落した。
厳しい表情でホールアウトし、報道陣の囲み取材を終えると、すぐに練習場へ向かった。みっちり1時間以上ショットなどの練習をした後、スッキリした表情で、横峯の話を聞くために待機してた筆者のところに現れた。「ゴルフって難しいなあ」と2回呟きながら、筆者の隣の椅子に腰掛けた。
「去年は、あの子たちが出来るなら、私も出来るんじゃないかと思った時期もあったんですけど……」
横峯がいう“あの子たち”とは、横峯と同じく昨年ルーキーだった若手たちのことだ。
今季の賞金女王と年間最優秀選手のタイトルを獲得したアリヤ・ジュタヌガーン(21歳/タイ)をはじめ、近年としては“最強”との呼び名が高い横峯の同期は、今季33試合のうち計16勝をあげた。
その一方で、横峯のハイライトは6月の大会での10位タイ入賞まで。来季のシード権こそ獲得したものの、賞金ランクでは71位と惨敗してしまった。
シーズン終盤、ついに見つけた不調の理由。
今季の試合期間中、横峯は「眠りが浅くなっていた」と言う。
「寝てることは寝てるんですけど、ぐっすり眠れないというか。うーん……ゴルフやってたら、そんな感じですよね」
詳細こそ語らないが、数少ないそんな言葉から、過酷なストレスに晒された厳しい1年だったことが窺い知れた。
自身の不振の原因を探るべく、様々な練習に取り組み、過去のスイングのビデオをひたすら繰り返し見直した結果、シーズン終盤となる1カ月半前に、スイングがズレていたことに気づいた。
「テークバックをアウトにあげて、足がクローズになっていました」