話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
ガンバのルヴァン杯はプラスだった!
土台はある、あとは「もう1歩」の駒。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE.PHOTOS
posted2016/10/19 11:00
今野泰幸と井手口陽介のボランチラインは浦和攻撃陣を苦しめていた。攻撃陣が機能し始めるまで、チームの軸はここになりそうだ。
守備面の安定は今野と井手口のおかげ。
しかし守備面では成長も見られた。
交代してすぐの李に同点ゴールを決められながら、嫌な流れの中で我慢して失点を最小限に抑えられたのは、ボランチの今野泰幸と井手口陽介の活躍が大きい。
今野は、リーグ戦での敗戦の反省を活かした守備を心がけたという。
「浦和はピッチを広く使ってバランスよく配置してくるので難しさはあるんですけど、今回は1対1のタイマンじゃなく、しっかりスライドしてマークすることができました」
リーグ戦で大敗した時のようにただ受け身になるのではなく、柏木陽介らパスの出し手に厳しいプレッシャーをかけ、簡単にボールを回させないようにした。それが功を奏した前半は、間違いなくガンバがペースを握っていた。
約束事は少なくても、コンビネーションは向上中。
井手口とのコンビネーションも悪くなかった。「2人ともボールにいってしまう傾向があるんで、そこはかぶらないように意識していました」と井手口が話していたが、約束事は最小限で、あとは各自の判断に任されている。13歳という年齢差も感じられず、うまく噛み合っていた。
井手口個人の動きも良かった。
ボールを奪って前につけて終わりではなく、前にスプリントしてもう1回受けてフィニッシュに絡もうというプレーが見え、運動量は最後まで落ちなかった。
今野も、“相棒”井手口の能力を高く評価している。
「僕も陽介もいい形でボールを奪えていたし、良かったと思います。ヤットさんとは連係面でも分かりあえていた感じだけど、陽介とはまだまだですね。阿吽の呼吸までにはいっていない。でも陽介はめちゃくちゃ能力高いし、これから試合を積んでいけばもっとよくなると思います」
おそらく長谷川監督も来季は、このパッケージをスターターの基本にするはずだ。