“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
名門マルセイユは代表以上に過酷!?
酒井宏樹が醸す、非情のオーラ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/09/09 11:30
マルセイユでの試合では、スピードのあるアフリカ系の選手に手こずっているという酒井。その厳しい場で鍛えられた技術は、必ず日本代表の力になるはずだ。
代表サポーターより厳しい!? マルセイユへ帰る酒井。
14分には本田との連携で、右サイドでタメを作ってチャンスを生み出すと、15分には本田が仕掛けたこぼれに反応し、シュートを放った。そして18分、日本の先制点をもたらしたのは彼の右足から放たれたクロスだった。右サイドをタイミングよく攻め上がった酒井のライナー性のセンタリングは、中央に待ち受けたMF原口元気の頭にピタリと届いた。
その後も正確なクロスでチャンスを生み出すと、守備面でも勇敢なプレスと裏へのボールへの対応を見せ、無失点勝利に貢献した。
精神的な成長の跡をしっかりと残した彼は、再び、厳しいサポーターが待つマルセイユの舞台に舞い戻る。
次の代表招集は10月。
このときさらに腹が据わった酒井宏樹の姿を見ることが出来るだろう。それほど彼にとってマルセイユは成長するに相応しい場所であるのだから。