熱血指揮官の「湘南、かく戦えり」BACK NUMBER
湘南・曹監督の日記から読み解く、
若手の育成&抜擢のタイミング。
text by
曹貴裁Cho Kwi-Jae
photograph byShonan Bellmare
posted2016/06/15 11:00
1stステージ終盤になっても、積極的な攻撃の姿勢を失わず戦えている湘南。曹貴裁監督と選手たちの、固い意志はブレていない。
ガンバとはスペクタクルな試合ができたと思う。
――苦しい時期を経て、チームが成長していると感じていますか。
「開幕してからこれまで、リードしながら追いつかれた試合、先制されて時間を使われ良さが出なかった試合、良さは出したが及ばなかった試合と様々な経験をしてきたが、その全てを経てチームは自信を深めているように感じている。この結果で説得力はないが、現場の指揮官として今置かれている順位、勝点にとらわれず、選手たちが日々何を感じ、どこに向かっているかを見極めていきたい。ここ最近はピッチの中で選手同士で解決しようとする空気感があるし、それは開幕当初に比べて練習の中でも上昇している。そこを預かるリーダーとして、選手に任せきることもいけないが、彼らの自主性が良い方向に流れるように、レールの上をまっすぐ進んでいけるように、日頃からチームのメンテナンスやチューニングを怠らずにやっていきたい」
――吹田スタジアムの雰囲気はいかがでしたか。
「ガンバさんとの試合はサッカー専用のスタジアムにライトグリーンのサポーターも多く駆けつけてくれて、僕が冬に観に行くドイツのスタジアムに本当によく似た空気だった。試合も攻撃と守備が目まぐるしく入れ替わるスペクタクルなゲームだったし、こういうゲームで勝点3を取れるようにしていきたい。手応えと課題は半分半分だけど、最終的にはこの試合を通じてチームとしてひとつステップアップできたと思えるように、そのきっかけにしていきたい」
(構成:日比野恭三)