“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
絶対に負けられないU-19日本代表。
新風を吹き込む2人の18歳を検証。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2016/04/21 07:00
合宿最終日のガンバ大阪戦でのスターティングメンバー。前列右端が遠藤渓太、その隣が森晃太。
和田と共に、ついに遠藤もマリノスのトップチームへ。
2015年9月。横浜F・マリノスでは、ほぼ当確だった和田と共に遠藤のトップ昇格が発表された。
そして、2016年シーズン。遠藤はエリク・モンバエルツ監督に見出され、第3節の新潟戦でJデビューをスタメン出場で飾ると、第4節の鳥栖戦でも2試合連続スタメン。その後もベンチ入り、スタメン出場と早くもトップに欠かせない存在となっている。
そんな彼がU-19日本代表に初選出されたのは、自然の流れだろう。
昨夏に変わった運命は、トントン拍子で彼を上のステージへと押し上げた。だが、遠藤はこの状況に危機感を抱いていると言う。
「今の自分に勢いがあるのは実感しています。でも、このまま若いからという理由で、勢いだけでやってしまうのは違うとも思っています。例えば、試合の中で積極的に行き過ぎて、空回りしてしまうシーンもある。ただ裏を狙うだけでなく、僕が時間を作ったり、周りに貢献出来る選手にならないと、『ただ勢いだけの選手』と思われてしまう。勢いが通用したり、それが認められるのは、今だけですから」
劇的な変化にも、彼が傲ることは無かった。
小さなチャンスを掴んだからこそ、絶対に手放したくない、無駄にしたくないという気持ちが彼を支配している。だから、傲ることもない。そして、それは森も同じだ。
森晃太と遠藤渓太。
この2人がU-19日本代表で、その驚くべき成長ぶりを表現してみせた。
彼らが紡ぎ出す新風は勢いをさらに強めていき、U-19日本代表においてより大きな風に変わるはずだ。