“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高円宮杯プレミアリーグで目撃せよ!!
十代のゴールキーパー達の青春。
posted2016/04/13 10:40
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
4月9日に開幕した高円宮杯プレミアリーグ。2011年に立ち上げられたこのリーグは、日本列島を東西に分け、各10チームのJユース、街クラブユース、高体連のチームが垣根を越えて戦い、12月に埼玉スタジアムで東西のチャンピオン同士でチャンピオンシップを行うレギュレーション。「ユース年代最高峰のリーグ」と呼ばれている。
筆者は9、10日と東京の味の素スタジアム西競技場とアミノバイタルフィールドでセントラル開催されたプレミアイーストの開幕戦の取材に行ったが、そこには若き守護神達の熱き想いが交錯していた。
「GKの良いチームは安定感がある」
サッカーにおいて、GKは非常に重要なポジションだ。GKが安定しないと、守備全体に大きな影響を及ぼす。今年のプレミアイーストには質の高いGKがおり、彼らがそれぞれのチームの守備を支え、組織を機能させている。
ユース世代ナンバーワンの正確無比なキック。
青森山田の守護神・廣末陸の武器は、ユース世代ナンバーワンと評される多彩かつ正確無比なキックにある。強烈な右足のインパクトから放たれるキックの飛距離はずば抜けており、開幕戦でも彼のパントキックから一気にFWが相手のDFラインの裏に抜け出し、ゴールに迫るシーンを演出した。
飛距離だけではない。豊富な種類のキックを駆使できる。ボレー気味のキックから繰り出されるボールは、地を這うような弾道を描いて前向きのアタッカーの足下にピタリと届く。時にはハーフウェイライン付近にいる味方の胸にピンポイントで届く。ポゼッションにも参加し、正確なインサイドパスでFWのプレスをかい潜り、時には攻撃のスイッチを入れる縦パスを打ち込む。
パントキック、パス回しからのキック。そしてショート、ミドル、ロングを巧みに使い分ける彼のキックは、プロのレベルに目を向けても、かなり高次元にいると言っていい。