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昔から“持っている男”だった――。
山田哲人を巡る関係者の重要証言。 

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photograph byHideki Sugiyama

posted2015/11/06 18:20

昔から“持っている男”だった――。山田哲人を巡る関係者の重要証言。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

日本シリーズで史上初の1試合3打席連続ホームランを記録した山田哲人だが、プロ入り前から“持っている”男だったことが取材で浮かび上がってきた。

ドラフトでも強運。

 聖光学院の歳内宏明(現・阪神タイガース投手)から打ったホームランは山田の評価をさらに高めることとなったが、穴田にとっても忘れられない一打だった。

「高校に入ってから、『今ホームラン何本?』とか連絡を取り合うようになって。あいつが甲子園に行くまでは並んでたんですけど、最後の1本で負けました」

 少しあきれたような口調で穴田はそうつぶやいた。

 ドラフトでは、ショートのレギュラー争いにチャンスがあると秘かに志望していたスワローズに外れ外れの1位で指名されたがバファローズと競合。小川淳司監督(当時)が当たりクジを掴んで、山田は12分の1の賭けに勝った。

いくら理屈をこねても説明不能な資質。

 勝負強さ、強運、持ってる男――。

 日本シリーズ史上初の1試合3打席連続ホームランが飛び出したのは、テープ起こしを眺めながら、いくら理屈をこねても説明不能な資質にどんな言葉を当てはめればいいのか頭を悩ませていたその時だった。驚きよりも「やっぱりそうなのか」という妙な納得感を得て、この事実だけで十分、言葉にする必要性がないことを悟った。

「来季の目標は今季の数字をいかに維持できるか」

 日本シリーズでの敗戦後に山田は語ったという。実は昨季もそうだった。欲張る姿勢を押し隠しながら、飛躍に飛躍を重ねる男。2016年の山田哲人は、どんなミラクルを見せてくれるのだろうか。

本編「山田哲人 彼がまだ透明だった頃」では、子供の頃から今に至るまで、彼を知る周囲の人々への取材で、より深く彼の足跡や人柄、いかに“持っている”かを丹念に追っています。発売中のNumber889号でぜひお読みください。
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