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ACLで広州恒大に敗れ続けるJリーグ勢。
日韓が中国への経由地になる日は?
posted2015/10/23 11:50
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
またしても、広州恒大の壁を破れなかった。
21日、アジアチャンピオンズリーグ準決勝第2レグが万博競技場で行われ、ガンバ大阪は広州恒大とスコアレスドローに終わった。結果、2試合合計スコア2-1でJリーグ勢7年ぶりの決勝進出はならなかった。
近年、Jリーグ勢は幾度も、この中国の不動産王が所有するクラブの餌食になっている。
今大会は、グループリーグで鹿島アントラーズが1勝1敗、準々決勝で柏レイソルが敗れ、そしてガンバ大阪までも敗れ去った。
前回大会では、横浜F・マリノス、セレッソ大阪が後塵を拝し、2013年には今回のガンバ大阪同様、ベスト4入りを果たした柏レイソルが敗れた。
今やJリーグが手の届かない高年俸の外国人選手と、中国のトッププレーヤーで構成されたチームを、欧州・南米からやってきた有名指導者が束ねる。このチームにJリーグ勢は誰も勝てない。2010年に巨大な不動産グループ「恒大房産」に買収され、本格強化を始めたクラブにまったく勝てないのだ。
筆者自身、日韓両国を往来しながら今大会を眺めてきた。結局、韓国のチームもこの強大なチームに勝てなかった。グループリーグでFCソウル、城南がともに1位、2位で勝ち上がりを決めたが、準々決勝で城南が敗れた。2013年にソウルが決勝で当たり、僅差で準優勝に甘んじたトラウマはまだ払しょくしきれていない。
圧倒的な資本力に歯が立たない。
この状況をどう捉えるべきか。
ヒントを与えてくれるプレーヤーがいる。先日のガンバ大阪戦にも出場した、広州恒大の韓国人センターバック金英権(キム・ヨングォン/25歳)だ。
「韓国発日本経由、中国行き」の選手が躍動!
「ガンバはこれまでACLで対戦したチームのなかで一番手ごわかった。パスの精度、攻撃の組み立て方、そういった点で本当に苦しんだ」
試合をこう振り返った金は、2012年からこの中国のビッグクラブでプレーしている。マルチェロ・リッピ、ファビオ・カンナバーロ、ルイス・フェリペ・スコラーリの下でレギュラーポジションを守り、その間、'13年のACLタイトル獲得にも貢献した。身長186センチとサイズが十分にありつつ、左足の正確なフィードが魅力のCB。時に左サイドバックでもプレーできるユーティリティを持つ。
金について注目すべきは、そのキャリアにもある。「韓国発日本経由、中国行き」の道のりを、大きく成功させようとしているのだ。