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ACL、敵地・韓国でまたも3点大勝!
柏とは対照的なG大阪の「らしさ」。
posted2015/05/21 11:30
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
今季ACLの開幕当初を見た限りでは、ガンバ大阪の姿は「Jリーグ勢の典型的なマズい事例」のようだった。
3月3日、グループリーグ第2戦のことだった。アウェーの地で、韓国の城南FCに0-2の敗北を喫した。冷たい雨が降るなかでのゲームだった。筆者自身も現地でこれを取材していたが、敗北の衝撃度はかなり大きかった。
いくらアウェーとはいえ、前年度Jリーグ三冠チームが敗れた相手がよくなかった。城南FCは、前身の城南一和時代こそACLで2度の優勝歴があるが、2013年を最後に経営母体だった統一教会系グループが撤退し、以降、市民クラブに転換したばかりのチームだ。
2014年、国内カップ戦の準決勝、決勝でそれぞれ強豪の全北、ソウル相手にベタ引きの守備からPK戦に持ち込み優勝。今大会の出場権を得た。リーグ戦では終盤まで残留争いを続けなんとか残留を果たした、というところだった。
この相手に、前年のJリーグ三冠クラブが敗れた。
守備を固められカウンターから2失点を喫しての敗戦。試合後、相手選手は「ガンバにはパスをいくら回されても、ゴール前を固めておけば大丈夫」と口にしていた。
3カ月で見違えた、ガンバ大阪の雰囲気。
この時の試合直後、ガンバの主力選手から出てくる言葉は“日韓対決”の敗戦後としては最も耳にしたくないものだった。
「なんでもないサッカーに負けた」
Jリーグとはまったく異なる相手との対策を質問してみても、「いや別にありません」と。
ああ、これは「Jリーグでの成功にふんぞり返って、現実を理解しようとしない姿」だな、と感じざるを得なかった。相手のサッカーがくだらなかろうがなんだろうが、負けは負けなのではないか、と。
長谷川健太監督の言葉だけが、リアルを感じ取っているようにも思えた。
「(ゴール前を固めて置けばよいと)言わせてしまうこと自体が、今の我々の弱さだと思います」
そこから3カ月弱、再び韓国のピッチに立ったチームはまったく逆の結果を残した。
この国のビッグクラブ・ソウル相手に堂々たる3-1の勝利を収めたのだ。