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ACL、敵地・韓国でまたも3点大勝!
柏とは対照的なG大阪の「らしさ」。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/05/21 11:30

ACL、敵地・韓国でまたも3点大勝!柏とは対照的なG大阪の「らしさ」。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

極めて難易度の高いボレーで1点目を、マーカー2人をドリブルで振り切ってからのニアへのシュートで3点目を決めた宇佐美貴史。1人で決められる男の存在が、守備の安定にも貢献している。

注目度は低かった、試合前のガンバ大阪だが……。

 試合前のガンバ大阪への韓国国内の注目度は、率直なところ前日に試合をした柏レイソルよりも低かった。当日の韓国メディアも、同日に中国のビッグクラブ広州恒大をホームに迎える城南FCの前日会見内容を大きく扱った。

 柏には「韓国キラー」という看板があるうえに、韓国人Jリーガーの全盛期に洪明甫、黄善洪、柳想鉄という国内の大スターがプレーしていたため元々名前を知られていた。ガンバでもチョ・ジェジン、イ・グノらが活躍したが、そのころは韓国選手の欧州進出も盛んになり、韓国国内でのJリーグの注目度も'02年ワールドカップ前より下がっていたのだ。

Jクラブの弱点は分かっている、という自信。

 ソウルワールドカップスタジアムの気温は24度。寒くなる、という天気予報もあったが、快適な気候の夜になった。10607人の観客が見守るなか、ゲームがスタートした。

 ソウルの先発フォーメーションを見た瞬間、ちょっといやな予感がした。中央にDF3人が並び、両サイドバックがさらに守備ラインに位置していた。3-5-2というべきか、5-3-2というべきか、いずれにせよ守備的という印象だ。ソウルは守備ラインの布陣を「昨シーズンは3バックで戦い、今シーズンは4バックにトライしようとしているが、不安定なため3バックも併用している」(現地紙記者)という。

 つまりソウルはガンバ相手に意図的に3バックで臨んできたのだ。これには近年、Kリーグ勢がJリーグ勢と対戦する際の特徴だと感じた。

 「日本のことは知っている」という自信。

 特にJリーグのジェフ千葉(当時市原)などで活躍したチェ・ヨンス監督率いるソウルはこういった自信がある。実際に試合前日会見で「自分自身がJリーグで戦ってきたという点はこの試合のプラスになる」と発言。

 さらに次の発言には大いなる含みがあった。

「ホーム&アウェーの2試合180分を通じてひとつの戦いだと思っている。ホームゲームではゴールが必要。だがより重要なことは失点をしないことだ。多くのゴールを挙げることでも第2戦に向けて有利な状況をつくれる。しかし相手も攻撃力のあるチーム。訪れたチャンスをしっかり決めることを考えなければならない」

 お互い攻撃的でオープンな戦いを挑むよりも、守備的に戦っておいて、「仕掛ける時」が来たら仕掛ければいい。そういう考え方だ。

 実際にソウルはこれを最大限に活用し、昨年のラウンド16で川崎フロンターレを3-2で下した。等々力での対戦では、川崎の猛攻を浴びながら前半を0-0で凌ぐと、後半の中盤あたりから一気に攻勢をかけていったのだ。要はJリーグ勢は「攻めさせておけば、どこかで必ず疲れる」ということだ。

 そんなソウルに対した前半のガンバのプレーぶりは、「マズい」という類の延長線上にあった。

【次ページ】 パス回しにこだわり過ぎる悪癖、と思いきや。

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