スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
混戦の予感と収穫期を迎えた若手。
~MLB、2015年の順位大予想~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2015/04/04 10:30
マーリンズに移籍し、例年以上に野球を楽しんでいるように見えるイチロー。ジャンカルロ・スタントンら若手外野手陣と共に波乱を起こし、ポストシーズン進出を果たすことが出来るか。
ポストシーズンも予想すると、WS制覇は?
ちょっと気は早いが、ポストシーズンの予想もしておこう。夏ごろには修正を余儀なくされる気がしないでもないが。
ALWC
エンジェルス>ホワイトソックス
ALDS
インディアンス>エンジェルス
マリナーズ>レッドソックス
ALCS
インディアンス>マリナーズ
NLWC
マーリンズ>パドレス
NLDS
ナショナルズ>マーリンズ
パイレーツ>ドジャース
NLCS
ナショナルズ>パイレーツ
WS
ナショナルズ>インディアンス
*略号については、AL=アメリカン・リーグ、NL=ナショナル・リーグ、WC=ワイルドカードゲーム、
DS=ディビジョンシリーズ、CS=チャンピオンシップシリーズ、WS=ワールドシリーズ
一応はこういう筋書を思い描いてみた。インディアンスが1948年以来67年ぶりの世界王座を獲得するか、と夢想はつのったが、先発投手陣の層の厚さではやはりナショナルズに敵わない。ジェイソン・キプニス(二塁手)、フランシスコ・リンドール(遊撃手)、マイケル・ボーン(外野手)の脆さも気にかかる。ただ、マイケル・ブラントリー(外野手)、ヤン・ゴームズ(捕手)、カルロス・カラスコ(投手)あたりがもう一段伸びると、とんでもない結果が生まれるかもしれない。
100勝チームが出ない混戦模様の可能性は高い。
インディアンスに限らず、若手が収穫期を迎えたチームは期待できる。マリナーズ、マーリンズ、パイレーツをポストシーズン進出組に推したのは、これが理由だ。そして、もうひとつの有力候補は、冬の移籍市場で成功した球団。パドレスやホワイトソックスはこちらに該当する。
このあたりをピックアップしたため、去年ワールドシリーズで覇を競ったジャイアンツとロイヤルズが外れてしまった。ただ、両チームとも投手力(とくにブルペン)は強い。故障者の復帰が早ければ、ペナント争いに絡んでくる可能性は十分に考えられる。ナショナルズ、インディアンス、ドジャースといった優勝候補も油断はできない。
つまり、混戦の傾向は昨年と同じだ。100勝チームはたぶん出ないだろうし、ポストシーズン進出の当落線上にあたる85勝近辺には6球団もしくは7球団がひしめき合う予感がする。カーディナルス、ブルージェイズ、オリオールズ、タイガースは当然侮れないし、メッツやカブスが意外な健闘を見せればスリルはさらに高まるだろう。今年もたっぷり楽しませてもらうことができそうだ。