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<独占公開、W杯の真実> 矢野大輔・ザックジャパン通訳日記 ~ギリシャ戦、そしてグループリーグ最終のコロンビア戦へ~
text by
矢野大輔Daisuke Yano
photograph byHirofumi Kamaya
posted2014/10/30 11:30
コロンビア戦へ、何かを変えなくてはならない。
<2014年6月20日(金)>
ギリシャ戦会場のナタールから合宿地のイトゥへ。
一晩明けて冷静に考えると、昨日引き分けたことにより、日本にもギリシャにも決勝トーナメント進出の可能性が残っている。これで、コロンビアに勝つことだけに一層集中できる。監督が言った。
「このままではいけない。何かルーティンを変えるようなことをしなければ。例えば休ませるとか、全員で夜外食するとか。チーム全体が現状に満足いってないのは明らかだが、さらに“やってやろう”という気持ちを呼び起こすことが必要だ」
メンタルをフリーにするために、何かを変えなくてはならない。欲しいのはきっかけだ。
センターバックとボランチの8人を呼んでMTG。
<2014年6月21日(土)>
ランチ前、センターバックとボランチの8人(今野泰幸、伊野波雅彦、森重真人、吉田麻也、遠藤保仁、長谷部誠、青山敏弘、山口蛍)を呼んでMTG。
「これまでの2試合、ビルドアップのところでスピーディーに回せていない。勇気を持って前に押し出せていない。4年間少しずつ積み上げて、作り上げてきたものが出し切れていない。結果がついてこない時、いろんな人がいろんなことを言う。それを全部聞いていたら収拾が付かないし、問題は解決しない。チームの23人全員が同じ方向を見て解決していかなければならないし、特にここにいるセンターラインのメンバーが共通意識を持たなければならない。
決して誤解してほしくないのは、ここにいるメンバーを批判しているわけではないということ。建設的に、コロンビア戦に向けてチームを立て直していきたい。最終決戦になる。やり残しのないようにしたい」
そして、運命のコロンビア戦まであと3日の段階で下した、
サプライズの決断とは? 気持ちをあらたにして、
自分たちのサッカーを出し切るべく、選手たちは最終決戦に臨んだが……。
つづきは、雑誌「Number」864号でお読みください。
Number Books
19冊にのぼる大学ノートに綴られた1397日間の「通訳日記」。そこには、今まで明かされることのなかったザッケローニ監督の真意や選手たちとの対話が克明に記されていた。日本代表通訳就任からブラジルW杯後のザックジャパン解散まで、世界を驚かせるために挑んだ激闘の日々を完全公開。