サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
日本サイドバック戦線に異変あり。
3連続先発の酒井高徳が一歩リード?
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/10/17 10:40
右利きながら、両足で精度の高いボールを蹴れる酒井高徳は、両サイドで幅の広いプレーを見せることができる。
ブラジル戦、酒井高のマッチアップはネイマール。
14日のブラジル戦。右サイドバックとしてアギーレジャパンで3試合連続の先発出場を果たした酒井高にとって、この試合の持つ意味は極めて大きかった。世界トップレベルの強豪に対して、ボールを持たれる時間が長くなること、引いて守らなければならない場面が多くなることが予想されたからだ。
しかも、ブラジルには世界屈指のストライカー、ネイマールがいる。こうした相手に対し、守備力では内田や酒井宏よりも下とされる酒井高が、どのような守りを見せることができるか。とりわけネイマールは左に流れる傾向が強く、酒井にとっては文字通り“テストの場”であり、“アピールチャンスの場”でもある。
キックオフ。立ち上がりは劣悪なピッチコンディションと、中国・北京でのアルゼンチン戦から中2日という強行スケジュールの影響で体が重いブラジルだったが、ネイマールの動きが良くなるにつれてチーム全体がテンポアップし、徐々に日本を押し込んでいくようになる。
ネイマールに喫した1点目について「個人的なミス」。
ネイマールは凸凹なピッチへのアジャストも素晴らしく、長いドリブルが難しいと見るや、素早い攻守の切り替えと、巧みなランニングを交えてチャンスを作り始める。
先制点は、前半18分。ジエゴ・タルデッリがMFウィリアンとのワンツーから、ゴール前に走り込んだネイマールにスルーパス。ネイマールは川島を難なくかわしてがら空きのゴールに右足で蹴り込み、いとも簡単にゴールを奪った。
酒井高は、試合後にこの場面を大いに反省していた。まずは、CB塩谷司との連携が悪かったことだ。
「あそこではネイマールより先にコースに入るか、ラインを下げて走りに対応するのが良いと思ったんだけど、シオ君もボールウォッチャーになって、ラインを止めたままになっていた。(タルデッリの)スルーパスに対して僕がシオ君に声を掛けていれば、下がってパスをカットできたと思うし、いろいろ修正しないといけないことはあった。ただ、一番は自分が付いていけば何でもない話だった。個人的なミスだと思う」