サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
日本サイドバック戦線に異変あり。
3連続先発の酒井高徳が一歩リード?
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/10/17 10:40
右利きながら、両足で精度の高いボールを蹴れる酒井高徳は、両サイドで幅の広いプレーを見せることができる。
守備に追われながら、攻撃でも見せ場は作った。
痛恨だったのは、後半立ち上がりの2失点目だ。
「早い時間帯で2点目を取られてしまい、チームとしてガタッと落ちてしまった」
3、4失点目に関してはさらに反省が口を突いた。「どっちもCKからの失点。自分も後ろで守っていたが、やっぱりCKから失点につながるのは自分たちの一番良くないパターン。しかも同じ形で立て続けにやられてしまった。
ブラジルは切り替わったときの推進力がすごかったし、カウンターの質も高くて、世界レベルだと感じたが、あれは自分たちがチーム全体で修正しないといけない」
それでも先制された後、ハーフタイムまでの約30分間は、自分なりに修正できたという手応えがあったという。
「前半だけなら、先制された後は1対2を作られた場面はそんなになかった。しっかり人に付いていくことができていたと思うし、周りとのコミュニケーションを取ることができていた。難しかったけれどうまく対応はできた」と収穫を口にした。
守備に追われながらも、攻撃面で見せ場を作れたことも良かった。前半35分、右サイドからニアに走り込んだ岡崎に鋭いクロス。岡崎のダイビングヘッドは惜しくも左にそれたが、酒井高の危険なクロスは目を引いた。
普段から試合に負けても明るく前を向いて次に進もうとする酒井高だが、ブラジル戦でも「しっかりできた時間はあった」と手応えを強調する。
クロスが光った左サイドバックの太田宏介。
ブラジル戦では左サイドバックで先発した太田宏介(FC東京)も、随所に光るプレーを見せていた。左利きらしい、鋭く、正確なクロスだ。
特に、後半44分にFW柿谷曜一朗へ浅い位置から送ったクロスはコース、スピード、タイミングとも申し分のないもの。惜しくもGKの好セーブに阻まれたが、この試合で作った決定機の一つだった。
太田は「まずは守備からだったが、チャンスがあれば前に行きたいと思っていた。前半にも高い位置から2、3本、クロスを上げることができていた。もう少し危険なクロスを入れたかったが」と、クロスに関してはこちらも手応えを得た様子だ。