オフサイド・トリップBACK NUMBER
「プレミアは万人向けじゃない」
ダビド・シルバが語る小兵の生き方。
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byAFLO
posted2014/10/15 10:30
母が日系人であるダビド・シルバの体格は、170cm、67kg。その小さな体でプレミアの屈強な選手たちの間をすり抜けていくさまはまるで魔法のようだ。
タイトルを全てとる。くつろいでいる暇はない。
――4年もいるのに、いまだに通訳を使っているのはどうして?
英語はわからないわけじゃないし、チームメイトと会話だってできる。ただしチームにはスペイン語圏の選手もたくさんいるんだ。ナバス、アグエロ、サバレタ、デミチェリスといったようにね。ミルナーでさえスペイン語の講義を受けたくらいさ。
僕はピッチを離れたところでの行動パターンを変えるべきだと、多くの人から言われてきた。もっといろんな活動をしたり、もっと(メディアに向けて)話をすべきだとね。
でも、そんなことをするつもりはないんだ。僕はこれ以上、注目されたくない。ピッチの上でサッカーをしているだけで幸せなんだよ。
――わかった。じゃあ最後に今シーズンの目標を聞かせてほしい。
全部のタイトルをとることさ。それがこのクラブの目標なんだ。
ペジェグリーニは、ボールを支配していくスタイルを目指しているけど、これは自分にものすごく合っている。ボールをキープしながら攻撃を仕掛けていくのは楽しいし、僕が好きなスタイルでもあるからね。
これくらい期待値の高いクラブでプレーしていくためには、サッカーに集中し続けていく必要がある。ビッグゲームに出場し続けて、試合で勝つことを課題にしていくのは自分の才能を伸ばしていくのにも役に立つんだ。CLでは本当にきついグループに入ってきたけど、僕たちは毎年レベルアップしていかなきゃならない。くつろいだりしている暇はないんだよ。