オフサイド・トリップBACK NUMBER
「プレミアは万人向けじゃない」
ダビド・シルバが語る小兵の生き方。
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byAFLO
posted2014/10/15 10:30
母が日系人であるダビド・シルバの体格は、170cm、67kg。その小さな体でプレミアの屈強な選手たちの間をすり抜けていくさまはまるで魔法のようだ。
スペインと同じプレーを、はるかに速いスピードで。
――君は小柄なのに、イングランドで成功を収めた最初の選手の一人になった。理由はどこにあるんだろう?
自分が(成功を収めた)最初の選手だとは思わないな。僕はゾラがチェルシーでプレーしていたのを見ていたし、彼がすばらしいプレーをするのを見て驚いた覚えがある。ゾラに比べれば、他の選手は巨人のように映ったからね。
イングランドのサッカーですごいのは、テクニックのレベルの高さだ。僕はバレンシア時代と同じようにプレーすることができるけど、イングランドとスペインでは違いもある。ここでは同じプレーを、はるかに速いスピードでこなさなければならないんだ。ファンがそういうプレーを望んでいるからさ。選手たちにエキサイティングなプレーを求めているんだ。
いずれにしても、小柄な選手で成功を収めたのは僕だけじゃない。マタ、サンティ・カソルラ、アザール、スターリング、そしてエリクセンもいるわけだからね。プレミアのすべてのチームに、とてもパワフルな選手が揃っているのは事実だけど、体格で劣る選手が活躍できる余地も残されているんだ。
――じゃあ、たとえば香川真司のような選手が、マンチェスター・ユナイテッドで存在感を示すことができなかったのは、どうしてだと思う?
その件については、僕はコメントできない。自分が知っているのは、イングランドのサッカーは独特だということだけさ。イングランドの試合は、すべてがフィジカル的にきつい。トップレベルのチームが相手であろうと、リーグで最下位のチームが相手であろうとね。
3日おきに試合に出て、練習でもものすごくインテンシティの高いトレーニングをしていくというのは楽じゃない。(選手に関して言えば)プレミアは万人向けのリーグじゃないんだよ。