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切り札・香川にも動じずダービー勝利。
内田が発揮した集中力と、得た自信。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2014/09/28 14:15
試合後の内田は「ラッキーと言ったらアレですけど、ドルトムントらしくないというか……。(中略)両チームとも怪我人が多く、勝ち点もそれほど取れてない中で、勝てて良かったです」とコメント。
「勝たなければいけない試合」(内田)
序盤からダービーらしい、堅い試合となった。それを理解した上で、内田は積極的に右サイドを上がっていった理由をこう話す。
「押し込まれると勢いがついてしまう試合なので、極力、前に相手を押しこみたいなという気持ちもありました」
ダービーのことを「勝たなければいけない試合」と語った内田からすれば、あえて攻撃に出ていく必要はない。だが、あえて攻撃に出ていくことが守備で優位に立つために必要なことだと考えれば、躊躇することはない。
守っては、前半6分に相手の左サイドバックのドゥルムが素早く駆け上がったのを、鋭いスライディングでキレイにボールを奪いとってサムへとつなぐ。
守備でも隙は見せなかった。
「このような失点をしていたら、勝てない」
前半10分に左サイドCKのチャンスがシャルケに訪れる。フンメルスのマークを外して飛び込んだのが、この試合で復帰したばかりのマティプだった。頭で完璧にとらえたボールがゴールネットを揺らして、シャルケが先制。
23分にも同じように左サイドからCKのチャンスが訪れる。今度はフンテラールが飛び込むが、さすがにこのシュートはブロックされてしまった。しかし、ラモスがこのあとクリアミスをすると、アオゴが拾い、クロスを送る。フンテラールが再び合わせ、こぼれたボールを胸トラップしたチョウポ・モティンクが豪快にけり込み、シャルケが2点のリードを奪う。
「はっきりしておくことがある。このような失点をしていたら、サッカーでは勝つことなんて出来ない」
試合後にドルトムントのクロップ監督がそう振り返った2つのゴールで、シャルケが優位に立った。