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切り札・香川にも動じずダービー勝利。
内田が発揮した集中力と、得た自信。
posted2014/09/28 14:15
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
試合が始まる直前、「Bet at Home」社によるこの試合のオッズが紹介されると、スタジアムからはブーイングが響きわたった。
ドルトムントの勝利 2.05倍
引き分け 3.45倍
シャルケの勝利 3.5倍
シャルケのホームであるフェルティンス・アレナで行なわれる試合にもかかわらず、ドルトムントが勝つ可能性が高いというのがブックメイカーの予想だったわけだ。
この試合では内田篤人が、4日前に行なわれたブレーメン戦に続いてスターティングメンバーに名を連ねた。ホームゲームのピッチに立つのは、右ひざを痛めた2月9日のハノーファー戦以来のことだった。
一方、3日前に今シーズンはじめてフル出場を果たしたドルトムントの香川真司はベンチスタートとなった。スタジアムに到着したあと、チームメイトとともにグラウンドに出てスタジアムの様子をながめているとき、クロップ監督は香川の肩を抱き寄せて、1分以上にわたり丁寧に話をしていた。4年前、このスタジアムで2ゴールを挙げ、ヒーローになった選手への特別な配慮であった。
シャルケは、内田とマティプが復帰してきたばかり。
ドルトムントはアドリアン・ラモスとインモービレの2人を前線に並べてきた。
「DFラインの裏をシンプルについていきたかったのだ」
クロップ監督も理由をそのように語っている。
対するシャルケは、10日前のCLではDFラインの4人のうち、DFを本職とする選手が1人しかいない状況に陥ったが、そこから状況は少しずつ上向きつつある。前節に内田が戻ってきて、今節からはセンターバックにカメルーン代表のマティプがスタメン復帰した。