野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
祝・シーズン開幕! MLB愛好家3人の
新外国人クロスレビュー(セ編)。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKYODO
posted2014/04/01 10:30
一軍オープン戦通算で打率1割4分3厘、最後の試合では4打数無安打、3三振を喫するなど不安の尽きない阪神・ゴメスだが、阪神首脳陣は“予定通り”開幕4番に。
Tessy「今回最大の謎ですね。自虐としか思えませんね」
●ギジェルモ・モスコーソ(横浜DeNAベイスターズ) 投手 推定年俸 8500万円
Tessy 「今回最大の謎ですね。なぜ、フライを打たせる系のピッチャーを被本塁打数業界No.1の横浜は獲ったんでしょう。自虐としか思えませんね」
Toyo 「あまり球速の出ない、球種的にも日本人っぽいピッチャーで、まさにクラシカル。特徴としてはやっぱりフライ系なんで、ハマスタだと不安しかないですよね(笑)」
Tomo 「いや、でも2011年A'sでのピッチングは良かったですよ。ストレートとカーブ、チェンジアップのクラシックなピッチング・タイプで、カーブの切れとコントロールも悪くない。他の投手の故障で5月末にローテーションに入り、21ゲームに先発して8勝10敗ながらWHIPは1.09、防御率3.38と上々の数字。 9月のロイヤルズ戦で8回2アウトまでノーヒッターで行ったゲームは凄かったなぁ」
Tessy 「でも、ホームラン打たれますよね」
Tomo 「そうですね。球が軽いのかどうか、長打・ホームランを打たれやすいのが欠点です。そういう意味では横浜に来るべくして来た選手なのかもしれません。ちなみにA'sのホームの球場は、外野とファールグラウンド、キャッチャー裏バックネットまでが極端に広くてフライでアウトを取るタイプのピッチャーには最適な球場ですから、その分は差っ引いて考えるべきですね。あと、この年のBABIP(フィールド内に飛んだ打球がヒットになる確率。投手の技能よりむしろ運の方が大きいスタッツ)が格段に低かったので、そこも差っ引いて考えなければなりません。あと、A'sを出た後のコロラド・SFでは打たれまくりだったことも差っ引いて考えることにします」
Toyo 「差っ引きすぎて何もなくなってしまいましたよ……」
●クリス・ナーブソン(東京ヤクルトスワローズ) 投手 推定年俸 8500万円
Tomo 「32歳のベテラン左腕でして、ロングリリーフ、スポット・スタート、なんでもこなして投げてきましたが、2010年2011年シーズンはローテーションの5番手にほぼ定着して、2年連続して28ゲームに先発。ベストシーズンは2011年と遅咲きです」
Tessy 「あの年も決して褒められた内容ではなかったですけど、彼のようなスピードは大した事ないけど大きなカーブで勝負、みたいなピッチャーが好きなので個人的にはローテから外れない程度の活躍はしてほしいですね」
Toyo 「球速はないけど、コントロールはそこそこあるし、ジェイミー・モイヤーのバッタモンと言ったら良く言いすぎかな? ただまぁ、とにかく立ち上がりが悪いので有名ですから、3回までに点を取られなかったら儲けもの。序盤に弱いです」
Tomo 「左腕からチェンジアップを早いカウントから多投してきますので、右バッターであっても打ちにくそうです。ただ、ベストシーズンの後半でグローブの手入れで革紐を切ろうとハサミを使ったら、利き手の親指を8針も縫うほどざっくり切ってしまったんです。翌2012年の序盤に肩を痛めて手術。昨年もメジャーでの登板は2ゲームだけと、あのケガ以来、ついていません」
Tessy 「球団は彼に左利き用のハサミを買ってあげることですね」