野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
祝・シーズン開幕! MLB愛好家3人の
新外国人クロスレビュー(セ編)。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKYODO
posted2014/04/01 10:30
一軍オープン戦通算で打率1割4分3厘、最後の試合では4打数無安打、3三振を喫するなど不安の尽きない阪神・ゴメスだが、阪神首脳陣は“予定通り”開幕4番に。
Tessy「もはや年齢詐称は伝統芸能ですね」
Toyo 「キューバということでちょっと言わせて貰いますけど、カープはですね、実はドミニカのアカデミー以前からキューバに接近していたんですよ。補強費を安くしようという魂胆が昔からありましたからね。カストロ元首相が『キューバの野球選手をアメリカ以外に輸出したい』という意向を持っているとの情報をどこからか嗅ぎつけて、日本製のバッティングマシーンとかネットとかボールとか、カープにしては高額の寄付をしまくって、こっそり媚を売りまくっていたそうです。
で、私らファンは『やたー! リナレスとかキンデランとかビネンがカープに来るぞー! ユニフォームも似てるしねー。同じCだしねー』なんて浮かれたことを言っていたのですが、見事に後発の中日に先を越されてキューバ選手を根こそぎ獲られてしまって……私らも『やっぱカープじゃね』と慰めあった次第です」
Tessy 「実にカープっぽいですね」
Toyo 「ちなみに、カープの初の日系人以外の外国人選手の一人はキューバ人で、ゾイロ・ベルサイエスという年老いたメキシカンリーグあがりのプレーヤーで、当時小学生のワタシは大変期待したのですが、覚えていることは年齢を詐称したことと、『カープのユニフォームは古臭い!』と言ったことくらいですね。わはは!」
Tessy 「もはや年齢詐称は伝統芸能ですね」
Toyo 「近所のおじさんたちも『なんか、覚えにくい名前じゃが、カープが取ってきたんじゃけ、どうせポンコツよのう』と言っていたのを覚えています。しかし後年、この彼がなんと、ミネソタ・ツインズでリーグMVPになったこともある名選手だったことが判明したのです。当時はそのことには誰も言及してなかったし、多分大した情報もなかったんでしょうね。普通カープにこないよ。だって、MVPですよ、MVP! 当然、これを耳にした広島のおじさんたちは『やっぱりのう。さすがに年老いたとは言え、風格があったわい』と反射的に手のひら返しをしたことは言うまでもありませんでした」
Tessy 「……理想的な野球ファンのあり方ですね」
Tomo 「では、この流れでカープ行きましょう。一人目はザック・フィリップス投手です」