プレミアリーグの時間BACK NUMBER
ルーニー、新契約で週給5000万円!
それでも最後に笑うのはモイーズ?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2014/03/07 10:30
練習中に談笑するルーニー(左)とモイーズ。しかしCLベスト16第1レグではオリンピアコスに0-2で敗戦。来季のCL出場は厳しくなった。
延長そのものには「賢明な判断」と好意的な反応。
但し金額規模の差こそあれ、強気に出られる時に年俸アップを求める行動は、英国では一般企業の社員でも当たり前。ルーニーと彼の代理人は、「ずる賢い」のではなく、「賢く」好条件の契約を取り付けたにすぎない。
実際、ネットや新聞でマンUファンの反応を見る限り、ルーニーの新契約は、その給与規模については「あり得ない」と言われても、契約延長そのものはクラブにとっても「賢明な判断」と受け止められているようだ。
マンUのOBでテレビ解説者のガリー・ネビルも同意見のようで、「代役を買うためには、移籍金だけで5000万から6000万ポンドを覚悟させられる」と言っている。ワールドクラスのFWには、少なくとも週給20万ポンド台の給与も必要。それでいて、いきなり真価を発揮してくれるとは限らない。その点ルーニーは、28歳にして12年のプレミア歴を持ち、マンUでは、新契約を結んだ時点で通算430試合出場208得点という、計算できるトップクラスなのだ。
アザール、ファンペルシと比べても……。
今季のプレミアで最高の2列目タレントはと訊かれて、エデン・アザールと答える者は多いだろう。20代前半で伸びしろもあるチェルシーMFの給与は、ルーニーよりも週に12万ポンド(2000万円)近く安い。アザールは、3月1日の今季第28節終了時点で12ゴール7アシスト。2カ月半を残して、ルーニーの昨季終了時と大差のない数字を残している。
但し、12ゴール10アシストという昨季の数字はルーニー本人も不本意と認めるところ。逆に、故障もあって低調だったシーズンでも、それだけの数字を残す実力を持つ証明でもある。
今季は怪我で年明けから1カ月ほど先発から遠退いたが、3月突入時点でリーグ戦10ゴール9アシスト。エースのロビン・ファンペルシが故障がちだった開幕6カ月間、マンUのベストプレーヤーはルーニーだった。マンUでの過去10年間の実績だけではなく、現時点での活躍があればこそ、クラブ側も離脱回避に必死にならざるを得なかったのだ。