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「戦車でも持ってくるしかないね」
止まらないユーベ、スクデット目前!
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2014/03/05 10:50
26節では本田圭佑の所属するミランを2-0で一蹴したコンテ。CLではグループリーグで敗退したが、その屈辱の分までリーグで強さを存分に発揮している。
一体どうやったら、ユベントスを止められるのか。
連覇中の王者は、ミランを下した26節までに獲得可能だった総勝ち点78のうち、実に69点を積み重ねた。22勝3分1敗という驚異のハイペースに、追走するローマやナポリの方が先に息切れを起こし始めている。
昨秋13節にローマを抜いて首位に立って以来、ユーベはじわじわと2位以下を引き離してきた。
ビッグクラブとの直接対決では必ず勝ち点3をもぎ取り、下位相手の取りこぼしも滅多にしない。“言うは易し、行なうは難し”で、その徹底ぶりが南部勢のナポリやローマとの差になっている。
25節のトリノ・ダービーでは、いよいよホーム13連勝を達成し、'76年優勝のトリノが保持するリーグ記録の14連勝まであと一歩に迫った。
今季国内で負けたのは、FWロッシにトリプレッタ(=ハットトリック)を食らった敵地での8節フィオレンティーナ戦と、ローマFWジェルビーニョの一発に沈んだオリンピコ・スタジアムでのコッパイタリア準々決勝のみ、という無敵ぶりなのだ。
勝利を逃した試合では、翌日のオフを取り上げ。
闘将コンテがユベントスへ植え付けた勝利への執念は凄まじい。
2-0でリードしながら後半ロスタイムに追いつかれた23節ベローナ戦では、指揮官の怒りが爆発した。
防げたはずのセットプレーで失点を生んだのは、選手たちの油断だった。怒り心頭のコンテは試合翌日のオフを躊躇なく取り上げると、ビノーボ練習場へ選手全員を招集。マロッタCEOとネドベド取締役の合意の下、彼らの顔を一人ひとり睨みつけながら、怒号を上げての説教は20分以上も続いた。もちろん、試合のビデオを使って失点のミスを検証するテクニカル・ミーティングも念入りに行なわれた。
闘将の気合をあらためて注入されたユーベは、直後のキエーボ戦を3発快勝。続くトリノ・ダービーでも泥臭く1点を守りきり、サンシーロでのミラン戦も思わぬ劣勢に苦しみながら、FWコンビの2発で勝ち点3を重ねた。