プレミアリーグの時間BACK NUMBER
超過密日程の2月を前に悲観論噴出。
それでも優勝候補はアーセナルだ!
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2014/02/07 10:45
2月2日24節クリスタルパレス戦で2得点と復調した姿を見せた、オクスレイド・チェンバレン。
アーセナルの“鬼門”2月に漂う悲観論。
一方のチェルシーも、間には、負け知らずのホームでのニューカッスル戦と、低調なウェストブロムウィッチとの対戦。アーセナルに比べれば息つく暇はある。元々、両軍の選手層がアーセナルよりも厚いことは言うまでもない。
当然、巷では2月のアーセナルに悲観的な意見が多い。ファンの間でも、10年ぶりのリーグ優勝の望みが消滅する1カ月になると言われている。1月の移籍市場で、期待されたストライカー獲得が実現しなかったショックもあるのだろう。スパルタク・モスクワから来たベテランMFのキム・シェルストレームは、短期レンタルでの賢いバックアッパー補強と思われた。ところが背中に故障を抱えており、長引けば3月半ばまで戦力にならない事実が判明した。
ファンも、毎年のように2月が鬼門であることは承知しているに違いない。リーグカップ決勝で格下のバーミンガムに敗れ、四冠王候補から無冠への失墜が始まったのは2011年の2月。その3年前には、同じバーミンガムと引分けたリーグ戦での、当時期待の新FWエドゥアルドの骨折が首位転落のきっかけとなった。
チームにしぶとさをもたらす、CBコンビの集中力。
しかしながら大方の予想に反し、リーグ首位を競いながら後半戦2カ月目を迎えた今季のアーセナル。失速を防げなかった以前とは違い、チームはしぶとさを身につけている。
その源は、ペア・メルテザッカーとローラン・コシェルニーのCBコンビ。最終ラインに要が出来たチームは、リーグ戦24試合を20チーム中最少レベルの21失点で乗り切っている。守るべき時間帯には、前線からの守備も当たり前になってきた。
2月1戦目のクリスタルパレス戦(2-0)は、ホームで6試合連続となる無失点試合だ。待ち受けるタフな4連戦は、うち3試合で本拠地エミレーツ・スタジアムが舞台となる。
その1つであるマンU戦は、前回対決でロビン・ファンペルシにフリーでヘディングを許している。体調不良によるメルテザッカー欠場が悔やまれた一瞬だった。最終ラインにリーダーが戻る今回は、集中力の維持も再徹底されるはずだ。