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「リツは我々が夢見た選手」堂安律フランクフルト加入、じつは長谷部誠やゲッツェが“ずっと太鼓判”「ワールドクラスだ」ドイツ人番記者が知る事実
posted2025/11/02 17:00
日本代表でウィングバック、シャドーと攻撃面で高性能のポリバレント性を発揮する堂安律。現地ドイツ人記者からも高く評価されている
text by

ティーモ・ミュラー(『キッカー』誌)Thiemo Muller(Kicker)
photograph by
Kiichi Matsumoto
リツは我々が夢に見た選手だ
アイントラハト・フランクフルトのディノ・トップメラー監督とスポーツ・ディレクターを務めるマルクス・クロシェは、昨年の夏から堂安律の獲得を計画していた。だが当時は、フライブルクがチームの攻撃の核だった日本代表アタッカーの放出を頑なに拒み、実現しなかった。
昨シーズンが終わり、フランクフルトがチャンピオンズリーグへの切符を掴んだ一方、フライブルクがヨーロッパリーグへの出場権の獲得に留まると、前者は堂安を口説き落とす材料を手にした。粘り強い交渉の末、推定移籍金2100万ユーロを支払って、念願のレフティーを迎え入れた。
「リツは我々が夢に見た選手だ。チームの新たな攻撃の武器となり、戦術的な幅を広げてくれる」とトップメラー監督はこのニューカマーを称えている。
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堂安は指揮官の期待に応え、新天地でのデビュー戦となったエンガース07との国内カップ戦(5-0)で2得点を挙げると、2週間後のブンデスリーガ第2節のホッフェンハイム戦(3-1)では2得点1アシストとチームの全得点に直接関与。さらにボルシア・メンヒェングラッドバッハ戦(6-4)で2アシストを記録し、自身初のチャンピオンズリーグとなったガラタサライ戦(5-1)では、貴重な同点ゴールを決めたように見えたが、記録は相手DFダビンソン・サンチェスのオウンゴールに。
フランクフルトの既存ウイング、アンスガー・クナウフやジャン=マテオ・バオヤは、縦への突破を好む。右に配される左利きの堂安は、鋭いカットインから左足でゴールを狙ったり、ラストパスを送ったりする。また彼が内側に切れ込んでいけば、サイドバックがオーバーラップして深い位置を取ることもできる。つまり指揮官が言ったように、堂安はチームに新たなオプションを与え、相手の予測を困難にしているのだ。
そのプレースタイルと優れたスキルから、ドイツでは彼をあのアリエン・ロッベンと比較する識者もいる。2013年にバイエルン・ミュンヘンの3冠に多大な貢献をした元オランダ代表のレジェンドだ。
じつは長谷部も堂安に太鼓判を押していた
タフなメンタルとフィジカルも特筆に値する。

