プレミアリーグの時間BACK NUMBER
超過密日程の2月を前に悲観論噴出。
それでも優勝候補はアーセナルだ!
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2014/02/07 10:45
2月2日24節クリスタルパレス戦で2得点と復調した姿を見せた、オクスレイド・チェンバレン。
リバプールは攻めても守っても困難に陥る。
アンフィールドでのリバプール戦は、敵がホームで攻勢を意識すればしめたものだ。ブレンダン・ロジャーズ率いるリバプールは、ポゼッション・サッカー路線を歩んでおり、エミレーツでの前回も積極姿勢で臨んできた。
試合前には、好調なルイス・スアレスとダニエル・スタリッジの前線コンビが、アーセナルに与えるダメージが危惧された。だが実際は、ポゼッション能力に勝るパスサッカー本家、アーセナルの零封勝利(2-0)に終わっている。
そしてその反省から敵が後方への意識を強めたとしても、リバプールの守備力は前回よりも低下している。最終ラインでは、ダニエル・アッガーとママドゥ・サコのCBコンビと、右サイドのグレン・ジョンソン、そして、ボランチのルーカスも怪我からの復帰が間に合わないと思われるのだ。
日替わりのスタメンと、やりくり上手のベンゲル。
冒頭で触れたように、アーセン・ベンゲル監督もMF陣に故障者を多く抱えている。だが、これまでも、指揮官は中盤の面子を入れ替えながら今季を戦ってきた。リーグ戦24試合のうち、同じ5名が4-2-3-1の中盤で2試合続けて先発したケースは、9月と11月に1度ずつしかない。
また、降格候補が相手ではあったが、元旦のカーディフ戦(2-0)では、ラムジーの他にエジルも欠きながら、粘り強く守ったカーディフを終盤の2ゴールで仕留めている。ちなみに、先制点を奪ったのは、開幕当初は戦力外だったはずのニクラス・ベントナーだった。
その試合で、後半ロスタイムにダメ押し点を決めたウォルコットは失ったが、代わりに、やはり膝の怪我で長期欠場していたアレックス・オクスレイド・チェンバレンが、続くアストン・ビラ戦(2-1)で戻ってきた。
MF陣が1トップを追い越して相手ゴールを目指す形が目についた一戦だった。チェンバレンは、先のクリスタルパレス戦もセンターハーフとして起用され、浮き球に反応して先制ゴールを決め、自ら持ち込んで追加点を奪った。
中盤の得点力は、頼れるセンターFWがオリビエ・ジルーしかいないだけに重要だ。MF陣は、リーグ戦24試合で、チーム総得点の7割近くに相当する32得点をもたらしている。怪我がないことを祈るばかりのジルーも、年末のニューカッスル戦(1-0)で1カ月のゴール枯渇に終止符。年明け以降は、計5試合出場で3ゴール1アシストと上々の出来を示している。