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強豪校の監督たちがトークバトル!?
箱根への駆け引きは始まっている。
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byAFLO
posted2013/12/25 10:30
2013年の箱根で、3区を任せた設楽悠太に指示を出しながら並走する東洋の酒井俊幸監督。37歳、現役時代には3度箱根を走った東洋OBだ。
早稲田の主将、大迫傑は渡米前に区を指定。
早大にはスーパーエースの大迫傑も控える。まだ一度もエース区間である2区を走っていないだけに、今年こそはとの期待もあるが、どうやらつなぎ区間での配置となりそうだ。
「今もアメリカへ武者修行に行ってるんですけど、渡米前に『何区でお願いします』と自ら申し出てきました(苦笑)。主将がこの時期に不在というのは本来あり得ないんですけどね。それを含めて、今年は賭けです」
目論むのは、往路での逃げ。3大会前に優勝したレース展開の再現を狙う。
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「ここ数年、初日で主導権を握ったチームがほとんど逃げ切ってますので。ウチも往路優勝すれば、9区までは逃げられる自信があります。それを捕まえられるのが、選手層の厚い駒澤さんであり、東洋さんでしょう」
名指しされた、両校の戦略やいかに。
史上最速の呼び声高い、29分切りを8人揃えた東洋。
東洋大は大エースの柏原が抜けて以来、大学駅伝5大会連続2位と、安定した力を発揮しながらも苦杯をなめ続けている。
そのことがどんな影響をチームに与えるのか。酒井俊幸監督が胸のうちを語った。
「正直、苦しい時期が続いてますけど、心はすごく充電されてますし、徐々に明るい光が見えてきました。ただ悲壮感が出るだけじゃなく、選手が伸び伸びと走ってくれれば、自ずと結果もついてくると思います」
双子で初の1万メートル27分台を記録した設楽啓太、悠太兄弟を軸に、29分切りの選手がじつに8人もエントリー。東洋史上最速の呼び声も高い。
同じく層の厚さで勝負する帝京大の中野孝行監督も、「もし箱根が20区間あれば優勝する自信はあります。ただし、東洋大は別格ですよ」と話すほど。
やはり、復路にも主要選手を配置できるだけの陣容は、他校にとっては脅威だろう。
出雲、全日本と東洋を抑え、箱根のキャスティングボートを握ると見られる駒大。はたして、本命はどんな戦略を描くのか。
「まだまだ選手層は厚くないんですけど、2つ勝ってしまったのでね。選手たちはあまり気負わず、平常心で、挑戦者の気持ちでトップを目指してほしいなと思います」
優勝候補にしては控えめな発言だが、これも偽らざる本音かもしれない。