巨人は松井、阪神は森を1位指名か？

●巨人　先発投手→松井裕樹（桐光学園・投手）

　野手の陣容、年齢的バランスに問題はない。あえて不安要素を探せば来季35歳を迎える阿部慎之助の後釜だろう。“ポスト阿部”と言えるような選手がチーム内にいないので森友哉の入札は十分考えられるが、阿部にそれほど衰えがないのも事実。

　投手陣は防御率1点台トリオ、山口鉄也、マシソン、西村健太朗のリリーフ陣がゲーム終盤を完璧に抑えたのに対し、先発陣は内海哲也、杉内俊哉、菅野智之、澤村拓一の4人が防御率3点台、宮國椋丞にいたっては4.93と散々である。将来的な展望を考えても若手の先発候補は菅野、澤村以外では宮國、小山雄輝、笠原将生、今村信貴がいるだけで手薄。3年後に先発ローテーション入りが見込める松井の獲得が有力である。

●阪神　捕手→森友哉（大阪桐蔭・捕手）

　放送関係の知人から森の評価が下がっていると聞いた。「低めにボールが集まる藤浪に慣れたせいもあり高めのキャッチングが雑。腰を下ろしたまま手だけで捕りに行く」「太りやすい体質」「性格が細やかでない」が理由らしいが、投手を指名したいスカウトが森の欠点をマスコミに広めて、ファンの心理を誘導し、即戦力投手を指名しやすいような環境を整備している――私にはそのようにしか思えない。

　阪神は'98年以降、中日から移籍した矢野輝大が長くレギュラー捕手を務め、それ以降も城島健司、藤井彰人と移籍組が先発マスクをかぶり続けている。これは正常なスタイルではないので、将来的にレギュラー捕手が狙える森を1位指名するのが王道だと思う。高校球界を制圧した藤浪とのバッテリーがプロでも復活すれば観客動員アップにもつながる。森以外の1位候補が他にいるのか聞きたいくらいだ。

●広島　野手→森友哉、園部聡（聖光学院・一塁手）

　投手陣は10勝以上した前田健太、野村祐輔、バリントン、大竹寛に勢いがあり、ミコライオ、今村猛のリリーフ陣も巨人に次ぐ安定感がある。問題は野手陣。今季、規定打数に達したのは丸佳浩（打撃成績15位）、菊池涼介（20位）の2人だけ。これはヤクルトの1人に次ぐワースト2位だ。

　盗塁112（リーグ1位）、本塁打110（5位）を見れば長打力不足は明らか。長打力のある候補は岡大海（明大）が地元・倉敷商出身なので指名しやすいが、今年は高校生野手に逸材が揃っているので18U選手権で活躍した森、園部、内田を思い切って1位指名する手もある。昨年の2位指名・鈴木誠也が今季11試合に出場、将来を嘱望されている。そういう流れに乗るのも戦略である。

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