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必然の“ガス欠”で広州恒大に大敗。
柏がアウェーで奇跡を起こすには?
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byGetty Images
posted2013/09/26 12:40
後半に4失点し大敗の柏。ここまで40日間で11試合という過密スケジュールの影響が出てしまったのだろうか。
無駄走りを増やしてしまったチームの課題とは。
田中が言う。
「点の取られ方が良くなかったですね。自分としては攻撃に行きすぎて、戻れなくなってしまった。前半の手応えで行けると思っていたんですけど、そこを読み違えてしまった。相手はワンチャンスを決めてくるので……。
全体的に少し攻め急いでしまったところもあると思います。ボールの奪われ方が悪くて、カウンターを食らって。僕も相手の裏に抜けずに止まっていればいいところを抜けてしまったり。そうすると守備に戻れないので、相手の流れを止められなかった。体力的に前半は戻れたんですけど、後半は戻れない。でも攻めなきゃ点を取れないという部分で、そのバランスがうまく取れなかった」
GK菅野孝憲はそれをチームの「未熟さ」と捉えている。
「後半に関して言うと、守備の面でコンパクトに守れなかった。すごく間延びしている時間が長くて、中盤で相手にボールを持たれて、我慢しきれずにラインも下がってしまった。失点のシーンも集中の切れたタイミングでのイージーな形が多かったし、未熟さというか、そういう面が出たと思います。100回やったら1回あるかどうかというミス。それが何から来ているかは何とも言えない。とにかく後半は、チーム全体としての狙い、守りができなかったと思います。足が止まったというのは、こちらのやりたいことがハマらない中で無駄走りが増えて、一人ひとりの“間”が広くなってしまって、カバーし切れない時間が続いてしまった」
1週間で、4-0で勝つ自信を溜め込む。
67分、82分、さらにアディショナルタイムにも失点。菅野の言うとおり、これらの失点はいずれも集中力を欠いた時間帯に、個の力の差を見せつけられて喫したものだった。相手の攻撃陣が圧倒的な破壊力を誇るとはいえ、チームとして万全の状態で臨めば組織的に抑えることができるが、そうでなければあっさりとやられる。それほどまでに、広州の決定力は高い。
ホームで直面した1-4という現実。1週間後に迎えるアウェーでの第2戦では4-0以上の勝利が求められる。前半の45分間で掴んだ手応えと、後半の45分間で突き付けられた課題を徹底的に整理する必要がある。田中が言う。
「正直、ショックは大きいですね。でも、4-0で勝てば……。この試合をしっかりと反省して、4-0で勝つという自信を溜め込んで臨まないと実現しないと思います。だから、今日はちゃんと反省して、一人でボヤいて、奇跡を起こせるようにもう一度切り替える。勝てる可能性はあると思います。特に前半の攻撃を90分間持続すれば、もしかしたら相手が折れてくれるかもしれない。そういう展開に持っていけるように、しっかり自信を溜め込めこみたいと思います」