サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
東アジアカップで躍動した“国内組”。
ロンドン五輪世代、A代表への道程。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/07/31 10:31
中国戦と韓国戦にフル出場、オーストラリア戦でも厳しい時間帯に投入されたことを考えれば、山口螢(写真右)へのザッケローニ監督の信頼度は高い。代表への定着を見据えて更なる進化を期す。
東アジアカップを見事な優勝で終えた日本代表。そのメンバーに選ばれたロンドン五輪代表世代は、権田修一、鈴木大輔、山口螢、扇原貴宏、齋藤学の5名、さらに落選組の大迫勇也、原口元気、工藤壮人らを加えると8名にも及んだ。
彼らの世代の台頭は非常に重要だ。
北京五輪が終わって、2年後の南アフリカW杯のメンバーに入った北京五輪組は、本田圭佑、岡崎慎司、内田篤人、長友佑都、森本貴幸の5名だった。本田と長友はその大会でブレイクし、ベスト16進出に貢献した。そして現代表にはさらに香川真司、吉田麻也、細貝萌が入り、日本代表の中心となっている。
ロンドン五輪組には、すでに代表の常連組になっている清武弘嗣、酒井高徳、酒井宏樹ら3名がいるが、レギュラーはまだ一人もいない。過去に大津祐樹、宇佐美貴史、永井謙佑、東慶悟も招集されたが定着できなかった。ロンドン五輪後、「今度はA代表で会おう」と、約束したメンバーたちが集合した今回。彼らは、どういう想いで東アジアカップを戦い、A代表への道を紡いだのだろうか。
豪州戦に出場した鈴木大輔は「これからがスタート」。
「(ロンドン五輪)あれから、もう1年なんですね。早いですね」
鈴木大輔は、懐かしそうに微笑んだ。
センターバックの鈴木は、今回初招集された。ロンドン五輪では吉田麻也とコンビを組み、決勝トーナメント1回戦のエジプト戦までを失点ゼロに抑え、ベスト4に大きく貢献した。ロンドン五輪後はスムーズにA代表に招集されるだろうと思われていたが、結局、声はかからず。今シーズンはレベルアップのために柏レイソルに移籍。そして今回、ようやくA代表へのチャンスを掴んだ。
「俺たちの世代で、すでA代表に入っているキヨ君とかはコンフェデ杯に出ていたし、活躍しているんで、そういうのを見るとやっぱり刺激になりますね。その場所に、という想いはいつも持っていました」
鈴木は、2戦目のオーストラリア戦にスタメン出場を果たした。
「チャレンジ&カバーとかロングフィードとか、自分の持味を出せたのはありますし、勝てたのは良かったです。ロンドン五輪世代のサコ(大迫)や学(齋藤)がいたんで、パスの引き出し方とかうまくやってくれたし、やりやすかったですね。ただ、3-2という結果は、すごく残念です。3-0で終えていればザックさんへの印象も良かったと思うので、最高のアピールにはならなかったですね。それでもザックさんの戦術を学べたり、いろんな選手とプレーできたのは大きな収穫です。これからがスタートなので、諦めずにブラジルにこだわってやっていきたいと思います」