（3） 高い位置でのプレーのために守備意識の徹底を。

　近年のバルサの成功の要因のひとつは、グアルディオラが植え付けた前線からのプレッシングにあった。しかしグアルディオラがチームを離れ、今季はその勢いがずいぶん弱まっているように見える。

　ボールを奪う位置が下がったため、相手ゴールまで距離が生まれた。対戦相手も中央のメッシにスペースを与えないための対策をとり、今季のCL（ミラン、PSG、バイエルン）ではずいぶんと低い位置でプレーせざるをえなかった。

　言うまでもなく、低い位置でプレーするメッシは、それほど怖くはない。

　同じことはネイマールにも言える。中盤の低い位置でボールを受け、そこでどれだけ華麗な技巧を見せようが、相手にとっては何も怖くはないのだ。そこで、1、2人かわすことがあっても、ゴールには直結しないからだ。

　ネイマールがどれだけ高い位置でボールを受けることができるか。

　そのためには前線からの組織的で統制されたプレッシングを取り戻すことが先決になる。

　それはネイマール本人にもかかっている。彼は守備が得意な選手ではないが、バルサに加入することでその意識は間違いなく植え付けられるはず。ペドロやアレクシスに学び、彼らのような献身をみせることは、自らが輝く環境を作るためにも不可欠なことだ。

　攻撃だけでなくプレッシングも要求されるのは彼にとって初めてのことでもある。若き日のメッシのように、体力的に持たない場面もでてくるかもしれない。しかしそれを乗り越えられれば、ネイマールと新生バルサは、もうひとつ別の次元へと進むことになるだろう。