欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
鍵はイニエスタとアルバが握っている!?
ネイマールがバルサで輝く3つの条件。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byLatinContent/Getty Images
posted2013/05/31 12:05
レアル・マドリーとの激しい争奪戦の末に、ネイマールと5年契約を結んだバルセロナ。ネイマール自身は、一昨年のクラブW杯でメッシと対戦するまでレアルへの憧れを公言していた。
(2) イニエスタ、ジョルディ・アルバとの連係はどうなる?
メッシとの連係ばかりが話題にはなっているが、むしろネイマールにとって大事なのは、左サイドでより絡むことの多いイニエスタとジョルディ・アルバとの連係である。
まずはイニエスタだ。
ネイマールの加入、そしてカンテラ上がりのウインガー、テージョの成長もあり、来季からはイニエスタが左ウイングでプレーすることはないだろうと見られている。そもそもイニエスタはこの左MF(インテリオール)がベストポジションで、これまでにウイングをやることがあったのはチーム事情を考慮した、必要に応じてのものだった。
そしてネイマールはプレーエリア的にはメッシではなく、この中盤左のイニエスタと重なることが多い。ピッチ上でのイニエスタとの距離は、メッシのそれよりもずいぶんと近いのである。
ネイマールを活かすため、ジョルディ・アルバの“上がり”は必須条件。
プレーにおいては誰とでもあわせられるイニエスタは、ネイマールとも良好な連係を築くだろう。しかしひとつ気がかりなのは、ネイマールが縦に抜けるタイプのウインガーではないという点だ。彼はボールを持って中に切れ込んでいくことの方が多く、それがネイマールの最も活きる形でもある。メッシ、イニエスタ、そしてネイマールが中央に寄ることで中のゾーンが密集してしまう、バルサの悪い癖が表れやすい組み合わせでもあるのだ。
その意味でネイマールの融合においてポイントとなるのは、左SBのジョルディ・アルバになる。
彼が後方から攻撃参加し、ネイマールとイニエスタの左側を上がり、ピッチに横幅をもたらさなければ、攻撃は中央過多になってしまう。アルバが上がることで、相手守備陣を横に開くことができれば、ネイマールの周囲にもスペースができ、よりプレーしやすくなる。
右隣のイニエスタと左後方のジョルディ・アルバ。
ネイマールが気持ちよくプレーするためにまず連係を築くべきは、メッシではなく、このふたりなのだ。