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鍵はイニエスタとアルバが握っている!?
ネイマールがバルサで輝く3つの条件。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byLatinContent/Getty Images
posted2013/05/31 12:05
レアル・マドリーとの激しい争奪戦の末に、ネイマールと5年契約を結んだバルセロナ。ネイマール自身は、一昨年のクラブW杯でメッシと対戦するまでレアルへの憧れを公言していた。
現在、バルセロナのメディアはネイマール一色だ。
バルサ移籍が決定してからというもの、メディアで彼の笑顔を見ない日はない。
移籍の裏話やレアル・マドリーとバルサの交渉合戦、歴代のガールフレンドに至るまで、紙面を開けば目に飛び込んでくるのはありとあらゆるネイマール話だ。
そして、誰もがこんなことを考えている。ネイマールはこのバルサの中で活躍できるのか、と。
(1) プレーおよび心理面で、メッシと共存できるのか?
ムンド・デポルティボ紙は、1面にネイマールとメッシの顔をCG合成した写真を載せている。
言うまでもなく、いま最も話題となっているのはメッシとネイマールのコンビについてだ。ファンはこのふたりのプレーを見る日(7月下旬)を、指おり数えている。
ネイマール本人も楽しみにしていて、移籍決定後のインタビューではこんなことを話している。
「レオ(メッシ)が5度目のバロンドールを取れるようにサポートしたい。僕はもう長いこと彼のファンだし、彼は間違いなく世界最高の選手。ピッチ上でできるだけ早く彼のプレーに慣れるようにしたいね。バルサで彼と一緒にたくさんのタイトルをとりたいんだ」
かなり謙虚である。本人の発言や、彼を育ててきたサントス関係者、ピッチ外で親しいダニエウ・アウベスらの言葉をきくと、少なくとも「ピッチの上に王様がふたり」いるような状況にはならないだろう。
ヨハン・クライフは「船頭はふたりもいらない」と否定的。
ネイマール加入について、かのヨハン・クライフは「船頭はふたりもいらない」と語っている。いつものようにぴりっとした意見(彼は数少ない懐疑派のひとりだ)だが、ネイマールの性格から考えても、メッシとの共存において問題が出てくるとは思えない。中央でプレーすることを訴え続けたイブラヒモビッチのケースのようにはならないだろう。
メディアも『ネイマールはメッシに合わせることができるし、合わせなければならない』との論調を貫いている。
プレーエリアに関しても適応はスムースに行きそうだ。ネイマールは彼が最も活きる、4-3-3の左サイドに入るのが有力である。
一方、近年のメッシの主なプレーエリアは、中央最前線からその下、そして右サイドにかけてだ。ネイマールが左サイドでボールを受け、中央に流れながらメッシと絡む光景は今からでも目に浮かんできそうだ。技術の高さや、足下でボールを繋ぐ感覚も似ており、互いを消すようなことはないだろう。