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<特別インタビュー>
謙虚でポジティブな男、細貝萌の決意。
「強い相手の時ほど、自分は活きる」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2013/05/28 10:30

<特別インタビュー>謙虚でポジティブな男、細貝萌の決意。「強い相手の時ほど、自分は活きる」<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

「守備をベースにした戦い方が必要になってくる強豪国相手にこそ、ボランチで勝負したいという気持ちがあるので」と、ボランチというポジションへの意欲を語っていた細貝。

チーム移籍を決断した、その真相とは?

――決断の背景には、1年後にブラジルW杯があるということも理由にあげられるのでしょうか?

「自分のなかではそのイメージもありました。やはり日本代表に選ばれることは誇りだし、日本代表の選手としてずっといたい。レバークーゼンはドイツ代表クラスや各国の代表が揃っていて、中盤の選手として自分に何が足りないのかということも感じることができたので、そこもポジティブには捉えています。ただ、日ごろから練習でそして試合で中盤をやれるというのは、この先に向けて全然違ってくるんじゃないかと思ったんです」

――足りないところというのは?

「レバークーゼンでいろんな選手とプレーしてみて、縦パスだったり、攻撃に関与する部分はこれからの自分の課題だと思ってます。(日本代表は)前のポジションにいる受け手はみんなうまいし、能力が高いので、そういうパスを入れていくことができれば1本で状況がガラッと変わるような場面も出てくるはずなので」

――アウクスブルク時代、ルフカイ監督のもとでボランチとしてレギュラーを張りました。移籍に関して彼の存在も大きかったのでは?

「ドイツでの自分のプレーを知ってくれていて、シーズンを通して間近でずっと見てくれているわけですからね。あのときはドイツ語も挨拶程度ぐらいしか交わせなかったけど、今度はお互いの意思もより伝わると思うので、楽しみにしています」

過去の大会でも、日本代表は簡単にW杯に出場できていない。

 欧州でのシーズンを終えたばかりの細貝だが、気持ちは既に日本代表モードへ。

 1-2で敗れた3月のヨルダン戦では出場機会がなかったものの、来たるオーストラリア戦に向けて、気持ちを高めている。持ち越しとなったW杯出場をホーム、埼玉スタジアム2002で決めたいという思いが強いようだ。

――ここまで最終予選を戦ってみて、どのような感想を?

「今までの日本代表の歴史を見ても、そう簡単に掴んできたわけじゃないですよね。だから僕自身、そんな簡単じゃないぞって思ってきましたし、この前のヨルダン戦を終えてみてあらためてそう思えた。日本が有利な状況にあることに変わりはないですけど、勝って早く獲得したいという気持ちが強いです」

――フィジカルの強いオーストラリアとの試合は、楽しみという部分もあるのでは。

「体が大きくて、強い相手とやる時こそ、自分のようなタイプが活きると思っているので、チャンスがあればしっかりプレーしたい。チームのために少しでも貢献したいので」

【次ページ】 「サブだろうが何だろうがチームのために必死に」

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