「シュウイチの魅力はやっぱりバッティング」

「“守備の人”で満足してもらっちゃ困る。シュウイチの魅力はやっぱりバッティングなんだから。2年目の今年はバットでもっとチームの力になってもらわなければならないし、そのつもりで本人もやっているはずだからね」

　その期待に答えるように村田のバットは開幕から絶好調で、原監督はその理由が“スイング・ファースト”にあると指摘するのである。

「今年はもう一度、長打にこだわる。三振かホームランかというぐらいの気持ちで思い切ってバットを振りたい」

　今季を迎えるにあたって村田は、こう長打へのこだわりを口にしている。

　悔恨がある。

「とにかく優勝したい」

　巨人移籍を決めた最大の理由は勝つことへの渇望だった。

三振をも恐れない強いスイングを見失っていた村田。

　優勝への強い欲求から、新しいチームで自分に課したことは、とにかくチームの中での自分、チームの勝利のための選手という意識だった。

　もちろんそれは間違いではない。

　ただ、チーム打撃を意識するあまりに、自分本来の思い切りの良さ、三振をも恐れない強いスイングを見失ってしまったという悔いが残った。

　だから今季はとにかくバットを振る、と決めたのだ。

　強振――。

　開幕から4カードを消化した4月11日の時点で打率3割5分9厘。10日の阪神戦で途切れたが、開幕から9試合連続安打もマークした。11三振しているが本塁打もすでに2本と長打も出ている。

　まさに村田が狙っていたバッティングが出来ているから、結果もついてきているということなのである。

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