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「今季はもう一度、長打にこだわる」
巨人2年目、村田修一の“原点回帰”。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2013/04/15 10:30
WBCの最終メンバー候補にも選ばれていた村田。今季は、本来の長距離ヒッターとしての活躍が期待される。
村田は、もはや“守備の人”ではない。
「細い板の上を自転車で渡るときのことを考えてください」
原監督の説明だ。
「慎重にゆっくりとペダルを漕いだら、むしろハンドルは揺れてうまく渡れない。力を入れて、きちっとペダルを漕いだ方がハンドルも安定して自転車は真っすぐ進むでしょ。バッティングというのも同じなんですよ。バットをボールに合わせにいったらむしろコンタクトが悪くなる。リキんではだめだけど、きちっと強くスイングすることでボールも飛ぶし、正確性も増す」
指揮官は目を細める。
4月7日の中日戦で勝ち越しの2ランを右翼席中段に放り込んだ村田も、自信の表情を見せてこう語っている。
「巨人のユニフォームを着てから(打撃の状態は)一番、いいんじゃないですか。僕の特長は右方向への長打だし、そういう打球が出てくれば、ホームラン王を目指してやりたい」
強く、しっかり。
まさに“スイング・ファースト”が出来るようになった村田は、もはや“守備の人”ではない。