オフに見せた、横峯さくらの大きな変化とは？

　森田や服部がめきめき頭角を現し始めたのは、岡本綾子さんに弟子入りしてからです。米国で賞金女王になった綾子さんのアプローチは天下一品。私も現役だったとき、師匠の清元登子さんから「アプローチだけは岡本に習え」と言われたくらいです。「飛ぶけど粗い」といった印象だった2人を着実に進化させていると思います。

　若林舞衣子も綾子さんの弟子ですね。昨年は20位でしたが、今年は森田や服部といい勝負をするんじゃないでしょうか。

　変わったなと思ったのが横峯さくら。

　'04年のデビュー以来、どんなに調子が悪くても必ず1勝は挙げていた彼女が昨年は勝てなかった。オフにさくらに会ったときに「今シーズンは凄く悔しかった。来年は絶対に勝つ」って、きりっとした表情で断言していたんです。これには驚きましたね。マスコミ向けのリップサービスは別にして、「心の底から勝ちたいと思っている」なんて口にするタイプじゃないですから、彼女の悔しさが伝わってきました。

「諸見里しのぶには、絶対に復活するという強い意思を持って欲しい」

　さくらは元々ゴルフがそんなに好きではなかった。私もそうだったから彼女の心境はよく分かるんですけど、自分が好きでゴルフを始めたわけではなく、周りの期待に応えたいとか、責任感とか、仕事として取り組んできたんだと思うんです。ただ、試合に出る以上は勝ちたいという負けず嫌いの精神を支えに戦っていた。そんなさくらが「負けて初めてゴルフが好きになった」というんです。ここが私とさくらの大きな違いですね（笑）。

　経験と実力を兼ね備えたさくらの“心技体”のバランスが整えば、鬼に金棒。私は自分の思い入れもあって、今年のさくらには注目しています。

　個人的なことを言えば、諸見里しのぶにも頑張って欲しい。'09年にさくらとの賞金女王争いに競り負けてから、苦しいシーズンが続いています。しのぶは、この年に6勝もしているんですよ。もちろん、ゴルフだけが人生じゃないけれど、落ちっぱなしで終わるのは、彼女の今後の人生にとっても絶対によくない。打ち方も綺麗だし、スイングもいいんだから、守りに入らないで、さくらのように絶対に復活するという強い意思を持って欲しい。

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