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今季もニューヒロイン候補が花盛り!
女子ゴルフ、開幕戦から見えた傾向。
text by
月橋文美Ayami Tsukihashi
photograph byKyodo News
posted2013/03/14 10:32
9歳から坂田塾でゴルフを始めたという山村彩恵は身長155センチという“小さな飛ばし屋”。20歳ながら物怖じしない性格で、今季初優勝も期待される。
ゴルフシーズンの到来を予告するかのように、今年も国内女子ツアーが沖縄・ダイキンオーキッドレディスで幕を開けた。年間試合数は昨年比1増で36戦。今や世界一の盛況を誇るLPGAツアーは、2013年も派手に滑り出した。
新シーズンの開幕初日、まっさらなスコアボードの先頭に立ったのは、まだ20歳の山村彩恵。1イーグル、4バーディー、ノーボギーのゴルフで66をマーク、単独首位発進を決めた。
QT(クォリファイング・トーナメント=ツアー予選会)経由でちょうど1年前の昨シーズン開幕戦からプロとしてツアー参戦、7月にプロテストに合格し正式にLPGA会員となり、10月の富士通レディスで7位タイに入るなど静かに注目度を上げている、小柄な飛ばし屋だ。
この日のプレーのクライマックスは、18番・491ヤードのパー5で決めた、今季初イーグル。
ティーショットを、残り225ヤード地点まで飛ばし、5番ウッドで2オンに成功、12メートルのパットを沈めて、一気にスコアを伸ばした。ドライバーは「昨シーズンから気に入っていて、替えていない(「GLOIRE」テーラーメイド)」というが、自慢の飛距離がさらに伸びたことは一目瞭然。「試合になってみたら去年よりちょっと前に出てるし、安定してます」と話す裏には、今オフも拠点にしている兵庫で走り込みや階段ダッシュを行い、東京のジムでパワーアップさせてきた継続的な努力と、今季から使い始めた新しいボール「LETHAL」(同上)の威力が重なっているようだ。
後半の4番・500ヤード・パー5でも2オン2パットのバーディー奪取。加えて「バーディーが続いても浮足立たずに、目の前の一打に集中して、決めたことを最後までやり抜けた」と、自身初の首位発進に充実感のある笑顔を見せた。
タイガーのように、見ている方も楽しくなるようなプレーヤーに!
「身長低いし、足も太いから、長いハーフパンツとか似合わないんですよ。なので、短めにお願いしてます」と、恥じらいがちに話す山村。トレードマークは、ホットパンツとこんがり焼けた太ももだ。
今季の目標は、昨シーズン達成できなかった「初優勝」。
大会2日目も14番まで2つスコアを伸ばしてV圏内をキープしたが、15番でティーショットを池に打ち込み痛恨のトリプルボギーを献上。16番から3連続ボギーの上がりと乱れ、悔し涙をこらえることができなかった。
福岡・中洲の老舗寿司屋の一人娘。「それなのに私、生魚ほとんど食べられないんです。でも去年から少しずつ変わってきて、今は中トロが食べられるようになりました」と、ちょっぴり大人に。
「タイガー・ウッズは毎ショット理にかなっているし、見ている方が楽しくなれるプレーヤー。私もそういうふうになりたい。夢が1つかなうなら、透明人間になってタイガーがトーナメント以外の場所で、ゴルフ以外の時間に何やってるのか見てみたいです」と話す。大会最終成績は39位に終わったが、自慢の飛距離と強気のパッティングを武器に、第2戦以降でも活躍を見せてくれそうだ。